渡英半年経過後の生活展望

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八重桜の花びらがまるで絨毯のよう

渡英して半年が経過した。

ここロンドンで、地縁なく、人脈もなく、しかも子育てのリードをとらなくてはならない、この3つの制約のなかで、自分がどれだけ主体的に未来を切り開けるのだろうか。当初からの自問である。

少しずつではあるが、上記の答えが見えてきそうな予感がしている。

最近はロンドンで活躍される日本人経営者の方々にお会いする機会が増えている。

お会いする経営者は皆数々の苦労を乗り越えながら、十数年間このロンドンで力強く生きていきたかたばかりだ。そのような方々から、主夫として渡英した私や家族への理解と応援だけでなく、仕事面の支援までいただいている。

自分はこの異国の地では社会的ステイタスも収入額など守るものなどなにもない。全部日本に捨ててきてしまった。大切なのは子供の健やかな成長だけ。もはやゼロベースから再度人生・生活を構築するようなものだ。

立場や状況は違えど、経営者の方々もそのようなゼロベースの人間にかつての自分を重ねあわせ、手を差し伸べてくれているのかも知れない。

海外に来なければありえなかった素晴らしい出会い。ご縁を大切にしつつもっと駆け足で進まねば!

コッツウォルズで車がパンク その2/2

これまでのあらすじ:
日本から遊びに来た両親を連れてコッツウォルズ地方へドライブの旅へ。最終日の朝、路肩に乗り上げた車の助手席側の前輪がパンク。ピンチに陥る。

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スペアタイアはどこだ?
困った。家族と荷物を満載でパンク。しかも問題は民家があるとはいえ国立公園内のど田舎。観光では人里離れたのんびりした景色はウェルカムだが、一転、他人のヘルプが必要になるような状況に陥るとこの景色は地獄絵図に変わる。

と言っても最初は意外と冷静だった。なぜなら、スペアタイアをつければ近くの街のガソリンスタンドで交換できるのではと考えたからだ。

ところが、トランクの底を開いてみて衝撃が走る。

スペアタイアがついていない。この車。
スペアタイアがあるはずのくぼみには、スプレー式の修理剤ぽいものが付いているだけ。

車の中は幸い2歳の娘はすやすや寝ているが、母親はひどい風邪を引いており、寒さに震えている。

とりあえず車のリース会社に連絡、AAに連絡してヘルプを依頼せよとの指示をもらう。AAというのはAutomobile Associationの略、要はJAFみたいなもの。こちらを呼び出して1時間半後に到着するとのこと。

案の定イギリス、30分遅れると連絡が入り2時間待ちの羽目に。脇道への入口を塞ぐように車を停めてしまったので、その間脇道に入る車に迂回してもらうようひたすら謝りまくる。中にはこちらが困っているのを説明してるのにも関わらず、どけ!コラ!ばりにクラクションとパッシングと文句を言いまくる居丈高な野郎がいて本当に頭にくる。

そしてAA降臨!
電話をかけて2時間、ようやく救世主AAの黄色い車がやってきた。そして人の良さそうなおじさんが降りて来た。

AA

早速スペアタイアに交換してもらう。その後近くの(といっても10マイル先の)Eveshamという街のタイヤ屋さんに案内してもらい、事なきを得た。

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しかし、昼飯も子供に食べさせることが出来ず、時間は既に午後1時を過ぎている。本来午後はさっさとロンドンに帰る予定だったので予定が完全に狂った。

しかしこの不吉な空気をどうにかしたく、気を取り直し、再びコッツウォルズへ戻り、最後にHidcote Manor Gardenという庭園へ。

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綺麗な庭園もさることながら、庭園の外に広がる牧草地ではのどかに草を喰む羊が間近に見れた。彼らボケーっと見て今日の心のキズを癒やしたのだった。

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そして、この翌週の旅でさらに不幸が訪れる。

つづく。

コッツウォルズで車がパンク その1/2

最近旅のアクシデントが多くてお祓いに行きたい気持ちになる。

4月中旬、日本より両親が遊びにきたこともあり、家族+両親の5人で英国コッツウォルズ地方に23日のドライブ旅行に出掛けた。

初日はバースへ。ローマ時代の浴場を見学。2000年前ローマ人がはるばるこんなところまで来て風呂を作るそのこだわり・情熱がすごい。半端無く風呂が好きだったのだろう。

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その後コッツウォルズ南部地方の美しい自然と鄙びた村を回る。

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2日目はコッツウォルズ北部へ移動。午前中は引続き美しい村々を訪れる。本当に癒される。

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午後は早めに宿泊先であるチャリングワース・マナーハウス・ホテルに向かい、アフタヌーンティーを愉しんだ。

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Charingworth Manor Hotel HPより

3日目は午前中は引き続きコッツウォルズ北部を旅し、Hidcote Manor Gardenという庭園を訪れた後、早めにロンドンに帰るはずだった。しかし事件は起きた。

チッピング・カムデンという町に訪れた時の事だった。

町外れを進んでいくと、美しい住宅街に景色が変わった。住宅街を走る狭いが車の往来もそこそこある上下2車線の道沿いに、ガイドブックで見た曲線が美しい茅葺き屋根の家が見えてきた。

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写真を撮るために母と妻をおろそうと、路肩に寄ったのだが、車は大人4人+子供1人+荷物満載の状態、ブレーキの利きが甘くそこそこスピードを出したまま路肩の段差を乗り上げてしまった。すると、ガツンとものすごい衝撃が左前車輪に走る。茂みに隠れて石段がよく見えなかったのだが、結構な段差があったようだ。あっ!と思いきや、ダッシュボードの警告灯が黄色く光る。なんとタイヤの空気圧低下信号が出てしまった。あれよあれよというまに左前のタイヤの空気圧が0となった

外に出てみると見るも無残なぺしゃんこのタイヤ。ああああ。。。。

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つづく。

子育ての合間のミュージカル鑑賞

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子育ての合間に、大体月1回のペースで夜な夜な一人ミュージカルに出掛けている。その日だけは少し早めに妻に帰ってきてもらって、自分は夕食の支度まで終えて子供の面倒をバトンタッチ。ウエストエンドのシアターは19:30開演なので、それまでに軽く食事を済ませ家をでるのだ。

これまでに見たのは4作品。オススメ度と併せ軽く感想を書いてみた。以下ネタバレありなのでご注意を。まあミュージカルは内容を事前に把握していたほうが楽しめると思うから問題ないと思うけれど。

ミス・サイゴン (Miss Saigon)

Miss Saigon公式HPより
公式HPより

英語難易度:☆☆☆
おもしろさ:☆☆

ミュージカル好きでなくてもタイトル名くらいは知っている超有名作品。ここロンドンのウエストエンドで初演がされたのが89年だから27年の歴史のあるロングラン作品。ベトナム戦争の戦乱の最中、ベトナム人女性とアメリカ軍人の恋と離別の物語。自分としては二人が恋に落ちるが、二人の関係は引き裂かれて最後に女性が死ぬ、いうお涙頂戴な古典的プロットと、主人公のキムがストーリーの序盤でアメリカ軍人のクリスと恋に落ちて子供が出来・・・という駆け足な展開がどうも不自然過ぎて感情移入できず、好きになれなかった。古臭いんだよね。もう一度観たいとは思わない。但し名場面と言われるヘリコプターの登場シーンは圧巻だった。

ベッカムに恋して(Bend like Beckham)

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公式HPより

英語難易度:☆☆☆
おもしろさ:☆☆☆

2002年の同名映画が原作。ロンドンのインド人コミュニティの話。ベッカムにあこがれるインド系のサッカー少女が、その才能を見込まれて女子サッカーチームに誘われるのだが、娘がサッカー選手をするなんて許せないという保守的なインド人両親との軋轢の中、自分の進む道を信じて頑張るという、超ポジティブな元気の出るコメディ。ロンドンにおけるインド系の家庭のあるあるが散りばめられていて、観客の笑いを誘う。こういった人種やエスニシティを背景にしたストーリーが、同じバックグラウンドを持つ役者によって演じられることでリアリティが生まれるし、結果、異文化理解を促進し、観客の心も打つことができる。これを日本で、例えば劇団四季が演じても全くピンと来ない作品だろう。ロンドンという国際都市だからこそ生まれ、演じることのできる作品だと思う。

スリラー・ライブ (Thriller Live)

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公式HPより

英語難易度:☆(殆どセリフ無し)
おもしろさ:☆☆☆☆☆

マイケル・ジャクソンの歌と踊りの世界を、マイケルの子供時代から時系列で紹介していく興奮の2時間半。これは正確にはミュージカルではなく、マイケルの声マネ・物マネアーティストによるレビューショーのような感じ。ステージはジャクソン5の曲から始まるのだが、最初の子役の歌のそっくり度から観客席は熱狂の渦、その後マイケルのそっくりさんによるビリー・ジーンのムーンウォーク、ゼロ・グラビティなどお約束の見せ場も登場し、観客総立ちで盛り上がる。熱狂は劇場外でも冷めやらず、帰り道すがら絶対ムーンウォークのマネしてみたり、突然「ポゥ!」とか叫んでしまうと思う、いやしないか。

キンキー・ブーツ (Kinky Boots)

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公式HPより

英語難易度:☆☆☆☆
おもしろさ:☆☆☆☆

2005年の同名映画が原作。倒産寸前の工場を父から引き継いだビジネスマンの息子が、ドラァグ・クイーンとひょんなことから知り合うことで、男性用女性靴というニッチ市場に方針転換、見事成功を収めるという話。舞台がノーザンプトンという地方の街でかつ、工場労働者が主な登場人物となるためか、英語が非常に訛っており拙い自分の英語力ではものすごく聞き取りにくい。勿論ストーリーは流れから理解はできるが、台詞の理解という意味では全体の1、2割程度しかきちんと聞き取れなかったのでは無いかと記憶している。それでも、準主演のドラァグ・クイーン、ローラ役の俳優さんが歌も踊りも演技も素晴らしいエンターテイナーで、このミュージカルを引っ張っている。加えてシンディーローパー作曲による音楽もとても印象的。事前に配役とあらすじを勉強して臨めばとても満足できる作品。

アムステルダムのボッタクリタクシー その2/2

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花咲き乱れるキューケンホフ

前回までのあらすじ;

アムステルダム空港に降り立った我々家族。思わず親切に声をかけてきた自称公式タクシーガイドに騙されて、料金upの速度が異様に速いターボメータータクシーに乗ってしまう。到着して料金ネゴの協力を民泊先のホストに求めるが・・・・。

民泊先のホスト召喚

しかしこれが失敗。この若いおねえさん、全く役に立たない。レシートのを見せて、これおかしくない?なんかドライバーにいったってよと救援を頼むも、「アムステルダムのタクシーは高いから、こんなものかもしれない、仕方ないんじゃないかしら」と完全に引き気味。その横でドヤ顔のタクシードライバー。逆に交渉ムードがぶち壊し。

こんな状況では妻のほうが強い、引き気味の私に対し、上司の電話番号をよこせとか、60ユーロでどう、とかガンガンに攻め立てる。

しかしながら、交渉は平行線のまま、小さな子供の対応もあるし、迷惑そうなホストのお姉さんも横で立っているので、結局泣き寝入り。70ユーロを払って終わりにした。

インチキタクシー案内野郎との再会

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※写真と文は関係ありません

ところが、次の日、以外にも空港に戻る必要性が生じた。

チューリップで有名なキューケンホフ公園に向かうため、公園行きのバスターミナルがあるスキポール空港へ再度行くことになったのだ。

苦々しい思いを胸に鉄道駅から到着ロビーの通路をとおり、外に出ようとする。まさにあの野郎が立っていた出口だ。

するとあの野郎が立っている。一気に頭に血が登って奴のところにガシガシ向かっていく。

野郎はすっかり我々のことを忘れているらしく、相変わらず「Taxi?」とのんきに聞いてきた

「こら!おまえは嘘つきだ、オフィシャルガイドじゃねえだろ、70ユーロもかかったんだぞ、ふざけんな!」と詰め寄る我々夫婦。

野郎は「そんなことはない、上司に合わせるからこっち来い!」といいながら逃げていく。

その騒ぎを見たかのか否か、空港警備員のおじさん二人がやって来た。そこで我々は昨日のボッタクリについて一部始終を説明したのだが、残念ながら助けにはならなかった。結局空港にインチキ野郎が立っていたとしても彼らでは取り締まれないし、一番はやはり変な話に乗らないこと、とありきたりなことを言われてしまって終了。

反省

とにかく今回の失敗は空港から宿までの足の下調べをしていないことに尽きる。普通は地球の歩き方を読んで、金額と安全性を確認するのだが、オランダは伊・仏のようなラテン系じゃないから英国並に安全なはず、と勝手に考え本も買わず何も勉強していなかったのが痛い。

次に問題はピンチの時の海外での対人交渉力。妻からは押しが弱いと説教されて確かに反省。過去もっと若いころは自己の意見を通すためギャーギャー騒ぎまくってたはずだが、なんだか今回はテンションが低すぎた。

あと一番後悔したのは、我々を騙した奴と空港で再会した時に顔写真を撮って、インターネットでばらまくぞと脅しをかけなかったこと。冷静に考えればそれが一番相手にとって嫌なことだったに違いない。