子育ての合間のミュージカル鑑賞

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子育ての合間に、大体月1回のペースで夜な夜な一人ミュージカルに出掛けている。その日だけは少し早めに妻に帰ってきてもらって、自分は夕食の支度まで終えて子供の面倒をバトンタッチ。ウエストエンドのシアターは19:30開演なので、それまでに軽く食事を済ませ家をでるのだ。

これまでに見たのは4作品。オススメ度と併せ軽く感想を書いてみた。以下ネタバレありなのでご注意を。まあミュージカルは内容を事前に把握していたほうが楽しめると思うから問題ないと思うけれど。

ミス・サイゴン (Miss Saigon)

Miss Saigon公式HPより
公式HPより

英語難易度:☆☆☆
おもしろさ:☆☆

ミュージカル好きでなくてもタイトル名くらいは知っている超有名作品。ここロンドンのウエストエンドで初演がされたのが89年だから27年の歴史のあるロングラン作品。ベトナム戦争の戦乱の最中、ベトナム人女性とアメリカ軍人の恋と離別の物語。自分としては二人が恋に落ちるが、二人の関係は引き裂かれて最後に女性が死ぬ、いうお涙頂戴な古典的プロットと、主人公のキムがストーリーの序盤でアメリカ軍人のクリスと恋に落ちて子供が出来・・・という駆け足な展開がどうも不自然過ぎて感情移入できず、好きになれなかった。古臭いんだよね。もう一度観たいとは思わない。但し名場面と言われるヘリコプターの登場シーンは圧巻だった。

ベッカムに恋して(Bend like Beckham)

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公式HPより

英語難易度:☆☆☆
おもしろさ:☆☆☆

2002年の同名映画が原作。ロンドンのインド人コミュニティの話。ベッカムにあこがれるインド系のサッカー少女が、その才能を見込まれて女子サッカーチームに誘われるのだが、娘がサッカー選手をするなんて許せないという保守的なインド人両親との軋轢の中、自分の進む道を信じて頑張るという、超ポジティブな元気の出るコメディ。ロンドンにおけるインド系の家庭のあるあるが散りばめられていて、観客の笑いを誘う。こういった人種やエスニシティを背景にしたストーリーが、同じバックグラウンドを持つ役者によって演じられることでリアリティが生まれるし、結果、異文化理解を促進し、観客の心も打つことができる。これを日本で、例えば劇団四季が演じても全くピンと来ない作品だろう。ロンドンという国際都市だからこそ生まれ、演じることのできる作品だと思う。

スリラー・ライブ (Thriller Live)

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公式HPより

英語難易度:☆(殆どセリフ無し)
おもしろさ:☆☆☆☆☆

マイケル・ジャクソンの歌と踊りの世界を、マイケルの子供時代から時系列で紹介していく興奮の2時間半。これは正確にはミュージカルではなく、マイケルの声マネ・物マネアーティストによるレビューショーのような感じ。ステージはジャクソン5の曲から始まるのだが、最初の子役の歌のそっくり度から観客席は熱狂の渦、その後マイケルのそっくりさんによるビリー・ジーンのムーンウォーク、ゼロ・グラビティなどお約束の見せ場も登場し、観客総立ちで盛り上がる。熱狂は劇場外でも冷めやらず、帰り道すがら絶対ムーンウォークのマネしてみたり、突然「ポゥ!」とか叫んでしまうと思う、いやしないか。

キンキー・ブーツ (Kinky Boots)

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公式HPより

英語難易度:☆☆☆☆
おもしろさ:☆☆☆☆

2005年の同名映画が原作。倒産寸前の工場を父から引き継いだビジネスマンの息子が、ドラァグ・クイーンとひょんなことから知り合うことで、男性用女性靴というニッチ市場に方針転換、見事成功を収めるという話。舞台がノーザンプトンという地方の街でかつ、工場労働者が主な登場人物となるためか、英語が非常に訛っており拙い自分の英語力ではものすごく聞き取りにくい。勿論ストーリーは流れから理解はできるが、台詞の理解という意味では全体の1、2割程度しかきちんと聞き取れなかったのでは無いかと記憶している。それでも、準主演のドラァグ・クイーン、ローラ役の俳優さんが歌も踊りも演技も素晴らしいエンターテイナーで、このミュージカルを引っ張っている。加えてシンディーローパー作曲による音楽もとても印象的。事前に配役とあらすじを勉強して臨めばとても満足できる作品。