abbey_road

アビイ・ロードで電話に出んわ

abbey-road-sign
wikipedia

今週水曜日に、37.2度の発熱があった。関節痛と倦怠感が激しく、娘の面倒や夕食を準備するような気分じゃない、けど主夫だからやるしか無い。幸い一日で熱は収まったが、おそらく娘から貰ったに間違いない。先週娘は38度超の熱を一晩出して私と妻を慌てさせたが、その後も下痢と鼻水が少々続いていた。

そしてまだ気だるさが残る金曜日、娘の調子が悪化した。やはり風邪のようだ。透明な鼻水が両方の穴から流れでている。いままでとは量が違う、毎回ティッシュで拭ってやる必要がある。しかも昼寝の後、とうとう黄色い鼻水までてろんと顔を出してしまった。ここでさすがに病院に行こうと決心。ちょうど自分も娘の後を追って同じ症状が出ているので、ついでに見てもらえば丁度いい。そんな気持でSt. John’s Woodにある、日本人向けの北診療所へアポの予約電話を入れた。

現在の時刻は2:40pm、唯一アポが取れた時間が3:00pm。あと20分しかないが、自宅から診療所へは十分間に合う距離。車に娘を乗せてHampsteadからSt. John’s Woodへ、道中もスムーズでアポの5分前に辿り着く。が、都会の病院故に駐車場が1台分しか無い、しかたがないので一旦病院を離れ、近所のパーキングスペースを探してウロウロ。グルグル近所を回り数分、パーキングエリアを発見。しかし既に時計は3時を回っていた。病院のアポに遅れてしまう、急がなくては!

パーキングの支払機が近くにないので、標識のサインをカメラに収め、後で支払登録することにした。イギリスでは電話の自動応答でも支払うことが出来るのだ。必要なのはロケーション番号6173と連絡先。

parking-sign

子供を抱えて小走りに病院に向かう。すると路上に群がり写真を撮る10人位の人々。おお、ここはアビイ・ロード(Abbey Road)だ。説明するまでもなく、ビートルズのアルバムタイトルにもなった通りのこと。ジョン・ポール・ジョージ・リンゴの4人が並んで撮影したその横断歩道は病院と150メートルくらいしか離れていないのだ。

abbey_road
wikipedia

病院には7分遅れで到着。寒気対策にカイロを背中に貼っていたのに加え、荷物と子供を抱えてもう汗びっしょり。幸い病院はスムーズに診療が済み、父娘共に風邪薬の処方をしてもらった。

ところが、問題はここから。

院内の薬局に移動し、薬剤師に処方箋を渡したところから、ピンチが始まる。

娘の機嫌があまり良くなく、お菓子が欲しいと騒ぎ始める。つい1時間前にリンゴ半個も平らげたのに。何も持ってないよと言っても聞くはずもなく、私のバッグを漁ろうとする娘。

薬局の環境も良くない。子供が時間を潰せるような楽しい物は一つもない。しかもイギリス人のノロノロオペレーションで、一向に薬が出てこない。

はと気づく、駐車場の支払登録を済ませないとまずい、30分過ぎてしまっている。もう既に切符を切られてもおかしくない。

そう思いきや娘がギャーギャーぐずり出す。仕方なく私のiPhoneYoutube動画を見せる。娘が見たいのはいつもアンパンマン、それもおもちゃの紹介動画、いつもこればかり。

やれやれ、これで暫くは大丈夫かと思ったのだが、しまった、電話を渡してしまっては支払が完了できない。

Youtubeマジックも今日はあまり効果が出ず、子供はぎゃあぎゃあ騒ぐ、お菓子が欲しくて「ちょうだい、ちょうだい、ちょうだあああああい!!!」と泣きわめく。支払の電話をかけようとiPhoneを取り上げようとすると更に泣きわめくので始末に置けない。

泣きわめくのを承知で、断続的に娘よりiPhoneを取り上げ、電話をかけて、何度も何度も自動音声で登録を試みるも、なぜか写真の6713が番号として存在しないとエラーを返されてしまう。

もう限界だ。こっちの体調が悪くなりそう。

LINEで妻にパーキングサインの写真とメッセージを送る。頼む、これを見て俺の代わりに登録して!!

既読はつかない。

断続的に電話をかけて、何度も何度も自動音声で登録を試みるも、なぜか写真のロケーション番号6713が番号として存在しないとエラーを返されてしまう。脂汗が額に滲んでくる。

既読はつかない

その間も子供は泣きわめき、よくわからない主張をし始める「もって、もって、もってええええ!」。

何を言いたいのか全くわからないのでかばんやオムツなどいろいろ持たせてみるが、違うらしい、余計怒って泣く。もううるさいし、いたたまれないので、薬局を出る。

既読はつかない。

暫く外で気分を逸らそうと努力するうち、誰かを呼んでいる雰囲気だったので再度中に入る。案の定自分が呼ばれていた。急いで薬を受取り、歩いている感も左腕に娘をかかえながら右手で電話をかけ、入金を済ませようと必死に自動音声と格闘を続ける。

なんと、外に出た途端、呪いの6713が登録出来た!意味がわからない。深く考える余裕すらない。もう1時間近く経ってしまったけれども、諦めずに1時間分お金を電話入金した。

そして再びアビー・ロード。もう入金した以上、慌ても仕方ない。手遅れならそれまでだし、切られてなければ今の入金でセーフなはず。もう足掻いても結果は出ている。あとは車に戻るだけ。

abbey-road2

そして結果は。私の負け。

駐禁切符が切られた時刻は入金のわずか7分前のだった。
“Abbey Road”のアルバムにもあったな、The Endという曲が。

既読がつく。

はや2週間で2回めの駐禁切符。。。最近運気の流れが良くない。お祓いしたい。

「アビイ・ロードで電話に出んわ」への2件のフィードバック

  1. 大変だったね!
    でも今までのブログ記事の中で一番おもしろかったよ(笑)
    うちの娘も最近ギャーギャー大変よー

    1. ありがとう!大きくなると言葉を覚えたりとか楽しくなるんだけど、おとなしくならなくなるのでホント大変だよね。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください