パースニップを食す

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今日の晩ごはんは頂き物のアヤム・ゴレンの素を使ってシンガポールチキンライス。炊飯ジャーの中にご飯と素と鶏モモ肉をぶち込んでスイッチを押すだけの簡単料理。子供のウケは抜群。楽で助かる。

炊飯スイッチを押せばやることが無い、ので先日買ってきたパースニップを調理してみた。

パースニップは白い色をした人参型野菜。こちらのスーパーの目立つところに山積みに売られているので、物珍しさからつい手を伸ばしてしまった。やはりここは英国、食べ慣れた食事もいいけど、ここでしか食べられない現地の味を試さなくては。Wikipediaによれば:

パースニップ
「ニンジンのような肉質の白い主根を食用とする。ニンジンに似た香気があり、味は淡白で甘みとわずかな苦味がある。煮崩れしないため、ポトフシチューボルシチなどの煮込み料理に適している。

葉や茎の汁はフラノクマリンを含むため光線過敏を引き起こす。このため取り扱いには注意が必要である。」

なるほど、若干クセのある野菜なのだな。しかも毒まで含まれている。これは何かカラダに良い薬草系なのかな。ワクワク。

ところで色は本当に白い。人参と比べるとこのような違い。

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ピーラーで皮を剥いてみると、「臭っ!」。何なのだろう、この匂い。みずみずしい朝鮮人参かウナコーワとかサロンパスの匂いを薄めたような匂いがする。人参とは似つかぬ匂い。

短冊状に切ろうとすると、「硬っ!」。まるでカボチャの硬度をもった人参のようだ。このメタルスライム的な物体を4本短冊切りに退治すること数分、すっかり手首が痛くなった。

全く未知のこの野菜、ネット上で食べ方を確認し、とりあえずルクエで蒸かして炒めることにした。

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食べてみるとすっかり匂いが消えた。これは芋です。サツマイモ。他のネットでも書かれているようにホクホク・ねっとりの食感とやさしい甘さになる。これは普通に美味しい。

一応楽天で見てみると日本でも1kg1,800円で売られているようだ。前言を撤回するようだが、だったらサツマイモ買ったほうがいいね。サツマイモと同じだもの。こちらでは1kg 1〜2ポンド程度、日本円で190-380円くらいの身近な野菜。パースニップの皮を剥いた時の形容しがたい薬草臭にご興味のあるかたはぜひお試しを。

食事の準備について

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主夫業もやってみて判ることが沢山ある。ざっくり言って主夫の仕事の質は2つに分かれると考えている。クリエイティブに物を生み出す業務と、エントロピー減少に関わる業務の2つ。簡単にいえば、着替えて飯を作って食わせて、出たウンコを拭く、汚れたもの・散らかったものを片付ける。これだけで一日が過ぎる。とりわけ子供のミッションはエントロピーの最大化なのではと思えるくらい、汚すわ散らかすわ家庭のすべての秩序を崩壊させていくのだが、正直それを元に戻す作業は比較的楽だ。食べた後の食器を洗い、汚した床を清掃する、おもちゃを片付ける、ウンコがたっぷり付着したおむつを替えて尻を拭くetc..。これは技能と要領がつかめればかなり効率よくこなすことはできる(もちろん一日に何度も繰り返されるのでそれはそれで心が折れるのだが)。

一方でクリエイティブな業務に属するのは主に娘の服装を決めること、食事の準備をすること。どちらも困るのだが特に食事が厄介だ。元々料理は嫌いではないのだが、日本に居た時は所詮休日コックであり、自分が食べたいモノを好きなときに作る趣味の範囲内の話だった。ところが、毎日朝昼晩を自分と子供、晩に至っては妻の分も作るとなるときつい。特 に子供の料理はきつい。自分が食べたいものを作るわけではないので、そもそもクリエイティビティが働かず、ゴールイメージが沸かない。頑張って作っても食べないとがっくりを超えてイラッとさえ来る。それが毎日のタスクとして待った無しでやってくる。

ここ最近娘につくった食事は以下。大人は又別にメニューを用意して作る場合もある。

■娘の食事リスト(◯:食べた/☓:ウケ悪し)

  • 12/9   昼:玉子チャーハン (☓) / 夜:ワカメの味噌汁、ご飯、ハンバーグ (◯)
  • 12/10 昼:冷凍水餃子(☓) / 夜:にゅうめん(◯)
  • 12/11  昼:にゅうめん(◯)/ 魚の切り身焼きと枝豆(◯)
  • 12/12  昼:エッグヌードル(◯) / ポトフ(◯)
  • 12/ 13 昼:ハンバーグと枝豆(◯) / 夜 外食の為なし

これらのメニューは当日に一つ一つ決めるのではなく、数日分先までプランニングをして、材料を揃えておき、当日は考えなしに手だけ動かすようにしている。毎日冷蔵庫の中を見て食事を考えるのは俺には出来ない。そこまで想像力もクリエイティビティも働かない。

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とは言え娘が食べてくれないと本当にがっくりするので、食べる確率を上げる方向に若干の修正を毎日加えていく。つまり素麺がすきなのが判れば、その後も麺類で攻めまくり、麺類に混ぜて細かく刻んだ野菜をいれて栄養価を担保する。ハンバーグが好きと判れば、事前に沢山つくってストックを冷凍庫に入れ、小出しに使っていく。これでとりあえず子供の栄養価の確保はなんとかなる。

 

一方、自分が作って食べたいのは花椒がガツンと効いた麻婆豆腐とか、パクチーを散りばめたマトンカレーとか、いきなり的なステーキ等なので全く子供の口には入れられない。

昔米国に住んでいた時もよく料理を作ったが、料理ってストレス解消の効果があると思う。厨房に向かう時、他のことをすっかり忘れて集中できる、美味しい出来上がりの姿をイメージしながらいかに要領よく食事の準備をしつつキッチンの片付けを両立させるか常に研究を続けている。