子連れドバイの旅 その2

on-the-roadパームジュメイラに二泊の後、現地に在住する親戚の家に移動。この日は親戚に無理をお願いし、娘を預かってもらって久々の子供なし小旅行に出かける。埃っぽいハイウェイを駆け抜け、向かう先は砂漠。

砂漠を四駆で駆け抜け、キャラバンのキャンプ風のエリアでディナーをするというドバイ定番の観光ツアー。午後遅めに出発し、帰りが夜10時位になるので、小学生以下の子供は連れていくのは難しい。

砂漠に入る前に、まずは運転手さんがクルマの空気を抜く。タイヤの接地面を増やし、砂に沈まぬようにするための対策だそうだ。砂漠は景観保護区域になっているようで、電信柱や送電線などは視界に入らない様になっており、見渡す限りの砂漠。恐ろしく暑いのにも関わらず、ヤギもいる。goat-in-dune下の写真のような感じで、ランドクルーザーが数十台、隊列を組んで砂漠を爆走する。land-cruiser-caravanそして暫く進むと景色は一面草も生えぬ砂丘に変わり、ランクルは砂丘のコブを攻めまくる。あえてコブの頂上を乗り越えるようにして進むので車は空を向いたり地面を向いたりとアップダウンが忙しい。シートベルトなしではいられない。人によっては車酔いをするとのこと。desert-safari特殊な運転資格を持ったドライバーが運転しているとのことだが、果敢に攻めすぎて砂丘の頂上でスタックしているクルマもあった。ドライバーに聞いたら、横転するクルマもたまにあるとか。その場合はお客も含めみんなで寄ってたかって元の向きにひっくり返すらしい。

この壮大な砂漠の向こうに沈む夕日を見るのが最高にロマンチックとのことだったのだが、残念。雲が邪魔で見れなかった。。
sand-dune砂漠のドライブのあとは、砂漠キャンプへ。まずはキャンプに入る前にラクダ乗り体験。ホントに体験だけで、1分程くるりと周囲を回っただけで終わりだった。camel-rideそして、キャンプの入り口。camp-entranceキャンプの中はベリーダンスのショーステージがあり、それを取り囲むように座席がある。それ以外にもお土産屋や水タバコのブース、ヘナのタトゥーコーナーなどがある。

食事はビュフェ形式で、コロッケみたいなファラフェルや、羊肉の焼いたモノものなど中東の料理。お味はまあ、観光地なので期待するほうが野暮ってもの。farafelドバイに来て辛いのは、酒が高いこと。暑い砂漠を越えてきて、ビールの一杯でも気軽にグイッと行けたら最高なのだが、高いので買うのを躊躇してしまう。結局コーラなどのソフトドリンクで済ませることが多かった。buffet加えてびっくりしたのは、配膳をしているおじさんたちは皆ランドクルーザーでお客さんを運んできたドライバーさん。つまりお客さんをクルマを降ろしたのち、彼らは皆キャンプでかれらをもてなすべく働いているのだ。なかなかドライバーも大変だ。
tobaccoメシをくったら、ベリーダンスには目もくれず、シーシャを嗜む自分。

砂漠に浮かぶ満月、ドバイの夜は更けていく。頭の中で流れる歌はマリア・マルダーのMidnight at the Oasisであった。

つづく

自動人形とファンキーベースと謎の美女

automaton

ジャミロクワイが帰ってきた。先日、彼らのホームページで謎のティーザーPVと世界ツアーのアナウンスが流れたなと思った後、新アルバム”Automaton”の3月末の発売が発表された。

イギリスのメディアでは昨年秋にリリースされるらしい噂が流れていたが、待てども待てども全く出る気配がないのでガセネタかと思っていたら、半年遅れでの発売となったようだ。

そしてすでにアルバムと同名の新曲”Automaton”がシングル・カットされている。

頭の超サイヤ人的メカニズムがサイバーパンクでカッコイイ。ただしダフト・パンクを思わせるエレクトリックな音はクールだが個人的にはちょっと不安はのこる。このお方、確たる情報は英語メディアも日本語メディアにも見当たらないのだが、10年前位から高音、およびファルセットが出せなくなったっぽい。ライブでは初期の曲をあまりやらないし、やっても高い声が出てないし、その後のアルバムは打ち込みが増え、スティービー・ワンダーぽかったソウルフルな歌い方も減った気がする。新曲もソウル感はなし。全部がこれだとちょっと熱くなれないかもな。

ところでYoutubeで新曲のPVを流し、そのまま放置していたら、自分が好き系なファンクチューン、”Time wont wait”が流れ出した。画面を見るとアマチュアの人がソロでベースをコピーしている動画だった。

ファンキーなベースさばきは当然素晴らしいのだが、この方、とにかく超美人。いつの間にかベースより美貌に目が行ってしまう。

他にもレッチリ、TOTO、マイケル・ジャクソンなどなどカバーしている。力強いスラップと不釣り合いな美人のコントラストがたまらなくクール。音と映像の共演とはこういうことを言うのだろう、夏場に収録されたと思わしきものはかなり露出が多く、ベースの指さばきより胸元にいやでも視点が行ってしまう。

いろいろ調べていくと、バルセロナ在住のMarta Altheaという方らしい。どうやらジェイ・ケイも彼女の動画を見て彼女に連絡を入れたらしい。そりゃ興味湧くよな。

Jazz Cafeで息抜きを

omarCamdenにあるJazz CafeOmarのライブを聞きに行った。
Omarはジャミロクワイ、インコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズなどに並ぶアシッドジャズ四天王(個人的見解)の一人。今となっては20年前の音楽になるが、90年代前半~中盤に掛けクラブミュージックとして当時アシッドジャズなるものがすごく流行っていて、自分もその黒いリズムセクションと、オシャレな旋律、ファンキーなホーンのカッコよさにすっかり虜に。その後アシッドジャズの流れるクラブ行ってみたり、アーティストの来日ライブに行ってみたり、新しいHMVやタワーレコードをチェックしてみたりといろいろこの辺りの音楽は思い出深いのである。




アシッドジャズはロンドン生まれ。そのころに、「ああ、こんな音楽が流れるロンドンてカッコイイ街だな~、いってみたいな~」なんて思っていたが、当時の自分がまさか20年後に暮らすとは思いもよるまい。

ところで、Wikipediaによるとそのアシッドジャズの発祥の地がロンドンのカムデンだと言われている。そのまさにカムデンにJazz Cafeがある。

jazzcafe

ライブ当日の晩は仕事の後、いつもどおりにナーサリーに娘をお迎え、ご飯を作って食べさせ、風呂に入れて、ちょっと残業気味の妻にバトンタッチ。8時半過ぎに家を出て車で10分。ライブの開始は9時過ぎだったのでバーカウンターでラムコークを注文、片手に持ってテージ前に。バッチリ間に合った。しかもチケットはたったの20ポンド。仕事・子育て・夜遊びのハットトリック、これぞロンドン生活!って感じ。幸せを感じる瞬間。さっきまで口で息をしながら娘のウンチを拭いていたとは思えない。

Jazz Cafeはスタンディングのライブハウス。2Fはテーブル席もあるが、オシャレデートのジャズ・バーという感じではない。白髪老人からスーツで決めたサラリーマン、20代の若い男女など、老若男女が酒を片手にわさわさ立っている。箱が狭いのでステージが近い。

Omarといえば、一発屋っぽく、デビュー曲There’s nothing like thisが一番有名で、そのあとは下降線。。なのだが、やはりやってくれました。定番を聞くと安心するし、これが一番盛り上がった。

驚いたのは、演奏中でも写真をとってもよいらしいこと。皆iPhone片手にカシャカシャしながら踊っている。このゆるい雰囲気は素敵だ。来日するとこういう人たちはBlue Note Tokyoでライブになるから撮影は不可、演奏する方も聴く方もちょっとかしこまってしまう嫌いがある。但し中にはフラッシュライトを点灯して動画をとっている迷惑野郎もいる、青白い光が眩しくて仕方ない。これはちょっとNG。

でも一番いらついたのは隣に立っていた白人の兄ちゃん。背丈が190センチ近くあって、まさに壁。立っているだけでも公害レベルなのに、リズムに乗るのが恐ろしく下手、縦ノリが出来ずやたら前後右左にカクカク、クネクネ揺れて自分を含めた周りの人間を無双してくる。しかもとなりの男友達に演奏中のステージをバックにセルフィーをとってもらったりと狼藉がエスカレートしてホントにムカつく。

これに対抗するために無言の抗議の意味で自分のパーソナルエリアをしっかり確保し、そこに入り込む奴のカラダや腕に肘や肩でボディーブローを食らわしていたのだが、なんと、音楽を聴いていない自分に気がついた。。。。しまった。

子育ての合間のミュージカル鑑賞

west-end-theatre

子育ての合間に、大体月1回のペースで夜な夜な一人ミュージカルに出掛けている。その日だけは少し早めに妻に帰ってきてもらって、自分は夕食の支度まで終えて子供の面倒をバトンタッチ。ウエストエンドのシアターは19:30開演なので、それまでに軽く食事を済ませ家をでるのだ。

これまでに見たのは4作品。オススメ度と併せ軽く感想を書いてみた。以下ネタバレありなのでご注意を。まあミュージカルは内容を事前に把握していたほうが楽しめると思うから問題ないと思うけれど。

ミス・サイゴン (Miss Saigon)

Miss Saigon公式HPより
公式HPより

英語難易度:☆☆☆
おもしろさ:☆☆

ミュージカル好きでなくてもタイトル名くらいは知っている超有名作品。ここロンドンのウエストエンドで初演がされたのが89年だから27年の歴史のあるロングラン作品。ベトナム戦争の戦乱の最中、ベトナム人女性とアメリカ軍人の恋と離別の物語。自分としては二人が恋に落ちるが、二人の関係は引き裂かれて最後に女性が死ぬ、いうお涙頂戴な古典的プロットと、主人公のキムがストーリーの序盤でアメリカ軍人のクリスと恋に落ちて子供が出来・・・という駆け足な展開がどうも不自然過ぎて感情移入できず、好きになれなかった。古臭いんだよね。もう一度観たいとは思わない。但し名場面と言われるヘリコプターの登場シーンは圧巻だった。

ベッカムに恋して(Bend like Beckham)

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公式HPより

英語難易度:☆☆☆
おもしろさ:☆☆☆

2002年の同名映画が原作。ロンドンのインド人コミュニティの話。ベッカムにあこがれるインド系のサッカー少女が、その才能を見込まれて女子サッカーチームに誘われるのだが、娘がサッカー選手をするなんて許せないという保守的なインド人両親との軋轢の中、自分の進む道を信じて頑張るという、超ポジティブな元気の出るコメディ。ロンドンにおけるインド系の家庭のあるあるが散りばめられていて、観客の笑いを誘う。こういった人種やエスニシティを背景にしたストーリーが、同じバックグラウンドを持つ役者によって演じられることでリアリティが生まれるし、結果、異文化理解を促進し、観客の心も打つことができる。これを日本で、例えば劇団四季が演じても全くピンと来ない作品だろう。ロンドンという国際都市だからこそ生まれ、演じることのできる作品だと思う。

スリラー・ライブ (Thriller Live)

thriller-live
公式HPより

英語難易度:☆(殆どセリフ無し)
おもしろさ:☆☆☆☆☆

マイケル・ジャクソンの歌と踊りの世界を、マイケルの子供時代から時系列で紹介していく興奮の2時間半。これは正確にはミュージカルではなく、マイケルの声マネ・物マネアーティストによるレビューショーのような感じ。ステージはジャクソン5の曲から始まるのだが、最初の子役の歌のそっくり度から観客席は熱狂の渦、その後マイケルのそっくりさんによるビリー・ジーンのムーンウォーク、ゼロ・グラビティなどお約束の見せ場も登場し、観客総立ちで盛り上がる。熱狂は劇場外でも冷めやらず、帰り道すがら絶対ムーンウォークのマネしてみたり、突然「ポゥ!」とか叫んでしまうと思う、いやしないか。

キンキー・ブーツ (Kinky Boots)

kinky-boots
公式HPより

英語難易度:☆☆☆☆
おもしろさ:☆☆☆☆

2005年の同名映画が原作。倒産寸前の工場を父から引き継いだビジネスマンの息子が、ドラァグ・クイーンとひょんなことから知り合うことで、男性用女性靴というニッチ市場に方針転換、見事成功を収めるという話。舞台がノーザンプトンという地方の街でかつ、工場労働者が主な登場人物となるためか、英語が非常に訛っており拙い自分の英語力ではものすごく聞き取りにくい。勿論ストーリーは流れから理解はできるが、台詞の理解という意味では全体の1、2割程度しかきちんと聞き取れなかったのでは無いかと記憶している。それでも、準主演のドラァグ・クイーン、ローラ役の俳優さんが歌も踊りも演技も素晴らしいエンターテイナーで、このミュージカルを引っ張っている。加えてシンディーローパー作曲による音楽もとても印象的。事前に配役とあらすじを勉強して臨めばとても満足できる作品。

駐夫の社交術

flute

最近は娘をナーサリーに通わせている間、フルートの練習に勤しむ。

妻の会社のロンドン駐在の本部長が、フルートがご趣味で、大学時代から社会人もオーケストラで演奏されているという大ベテランの方なのだ。その方から一緒にデュエットをしないかというお誘いを頂いたのだ。

私も一応中学高校時代に部活で四六時中フルートを吹いていた身、夫として妻の社内人脈の構築・強化のために一肌脱がなくては。

一般的に海外にいると組織のサイズの小ささにより、日本では会話すらできないような会社組織のラダーの遥か上の人と身近になれるチャンスがあるが、仕事だけでなく、この際公私共に身近に接することも重要かと思われる。私自身も他社の偉い人と仕事に関係なく知り合えるのは非常に興味深い。

事前に渡された課題曲は

バッハ

インヴェンション第14

小フーガト短調

アリア(G線上のアリア)

フランス組曲第5番 ガボット

ソナタ (BVW1038)

テレマン

無伴奏2つのフルートのための6つのソナタ

フォーレ

パヴァーヌ

ブラームス

ハンガリー舞曲

ビゼー

シャンソン・ボエーム(歌劇カルメンより)

シューマン

交響曲第5番のテーマ

勿論準備をすべく練習をしたのだが、バッハって意外と難しい。その上錆びきった自分の腕前の上に曲数が多すぎて練習しきれない。バッハのソナタだけで4楽章の組曲だし。

結局初回はバッハ4曲をきちんと形にするので一杯一杯。

そして、本部長とのセッションの日。都心に位置する本部長のステキなアパートメントに自分一人で訪問。

実際ご一緒するとまず楽器が違う。ムラマツの銀製管体に金製の頭部管。恐らく頭部管だけで100万円くらいはするはず。足部管は通常より半音下まで出せるH足部管。うーむ。全部で自分の楽器が4本以上買えるのではないか。そして音色もバリバリに響く低音とさえずるような高温にこちらは圧倒されっぱなし。

本部長との本番では殆ど初見状態になってしまった。本部長はどの曲も軽々どんどん進む一方、こちらはすっかり譜面が読めなくなっているのでめちゃくちゃしんどい。足手まといを超えて既にレッスンの教師と生徒の関係になってしまいそうな感じ。

修行が全然足りないことを痛感。あーもっと頑張らねば。

しかしながら、フシギなご縁で始まったこのフルートセッション、男同士缶ビールを飲みながらのリラックスした雰囲気で非常に楽しかった。残念な腕前で大変恐縮だったにも関わらず、最後には本部長お手製のカレーライスまでごちそうになってしまった。

どなたかロンドンでフルート一緒に吹きませんか??男女問わず仲間募集中です!