主夫であることへの葛藤

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妻が仕事上海外転勤になり、子供もまだ20ヶ月程度。故に自分は職を辞し家族一緒に渡英したのだが、本当は自分も仕事を続けたかったことは今でも変わりはない。

FBのポストに上がってくるポストは仕事のリア充で溢れている。自分の会社が大きなった、資金調達した、もしくは自分の仕事が実を結んだ、転職しより良い仕事を得られたetc.

はあそうですか。ため息が出る。まったく今の自分には関係ない。

先日はロンドンで母校となる大学のアルムナイパーティがあり、参加したところ、これまた気分が鬱になった。皆さん大手の商社や金融で活躍される錚々たる面々。交換する名刺もない自分はただの無職のオヤジでしかない。肩身が狭く感じた。相手の方には全く非はない、ただ、自滅してる自分が悪いだけだ。とはいえ、こういったキラキラした場所で社会の流れに抗うのは心がしんどい。

私は毎日子供の様子をつぶさに観察してる。何を食べたか食べなかったか、ウンチの状態はどうだったか、また新しい言葉をしゃべった、トーマスの機関車の名前をまた一つ覚えた、怖がっていたブランコに乗れるようになった。それがすべて、それが主夫。

悩んでいてもまた日は昇る。あしたも頑張ろう。

主夫のお気に入りグッズ:BOSEワイヤレススピーカー

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主夫が家事を行うのはキッチン、バスルーム、寝室などリビング以外の場所での作業が多い。こんな時は音楽をかけて仕事をしたい。ただしイヤホンでは難しい、なぜなら子供の声や物音を完全にシャットアウトしてしまうからだ。

そこで日本から英国に持参して本当に良かったと思っているのが、BOSE Soundlink Mini II Blutooth。とても小さいサイズのスピーカーからは信じられないくらいクリアで伸びの良い高音と、奥行きのある低音が出る。正直リビングのスピーカーはこれ以外必要ないのではと思ってしまう。これを作業する部屋に毎回持っていけば、最高の音楽環境が出来る。

基本的にこのスピーカーは持ち運ぶことを前提としているので、充電式で旅行に持っていくことも簡単。ホテルやAirbnbの民泊の部屋で超高音質な音楽やインターネットラジオを聞けるのは、素晴らしい体験に華を添える。英国に引っ越してAirbnbの仮住まいの時に気分をリフレッシュできてとても助かったことを覚えている。荷物のキャパシティが許せば、毎回旅行に持って行きたいくらいだ。

全国の主夫の皆様に是非おすすめしたい。気持ちの良い仕事は気持ちの良い環境から。家事・育児もしかり。

そしてよく聴いているのがコチラ
“Trouble Shootin”  Stefano di Battista

Trouble Shootin

食事の準備について

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主夫業もやってみて判ることが沢山ある。ざっくり言って主夫の仕事の質は2つに分かれると考えている。クリエイティブに物を生み出す業務と、エントロピー減少に関わる業務の2つ。簡単にいえば、着替えて飯を作って食わせて、出たウンコを拭く、汚れたもの・散らかったものを片付ける。これだけで一日が過ぎる。とりわけ子供のミッションはエントロピーの最大化なのではと思えるくらい、汚すわ散らかすわ家庭のすべての秩序を崩壊させていくのだが、正直それを元に戻す作業は比較的楽だ。食べた後の食器を洗い、汚した床を清掃する、おもちゃを片付ける、ウンコがたっぷり付着したおむつを替えて尻を拭くetc..。これは技能と要領がつかめればかなり効率よくこなすことはできる(もちろん一日に何度も繰り返されるのでそれはそれで心が折れるのだが)。

一方でクリエイティブな業務に属するのは主に娘の服装を決めること、食事の準備をすること。どちらも困るのだが特に食事が厄介だ。元々料理は嫌いではないのだが、日本に居た時は所詮休日コックであり、自分が食べたいモノを好きなときに作る趣味の範囲内の話だった。ところが、毎日朝昼晩を自分と子供、晩に至っては妻の分も作るとなるときつい。特 に子供の料理はきつい。自分が食べたいものを作るわけではないので、そもそもクリエイティビティが働かず、ゴールイメージが沸かない。頑張って作っても食べないとがっくりを超えてイラッとさえ来る。それが毎日のタスクとして待った無しでやってくる。

ここ最近娘につくった食事は以下。大人は又別にメニューを用意して作る場合もある。

■娘の食事リスト(◯:食べた/☓:ウケ悪し)

  • 12/9   昼:玉子チャーハン (☓) / 夜:ワカメの味噌汁、ご飯、ハンバーグ (◯)
  • 12/10 昼:冷凍水餃子(☓) / 夜:にゅうめん(◯)
  • 12/11  昼:にゅうめん(◯)/ 魚の切り身焼きと枝豆(◯)
  • 12/12  昼:エッグヌードル(◯) / ポトフ(◯)
  • 12/ 13 昼:ハンバーグと枝豆(◯) / 夜 外食の為なし

これらのメニューは当日に一つ一つ決めるのではなく、数日分先までプランニングをして、材料を揃えておき、当日は考えなしに手だけ動かすようにしている。毎日冷蔵庫の中を見て食事を考えるのは俺には出来ない。そこまで想像力もクリエイティビティも働かない。

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とは言え娘が食べてくれないと本当にがっくりするので、食べる確率を上げる方向に若干の修正を毎日加えていく。つまり素麺がすきなのが判れば、その後も麺類で攻めまくり、麺類に混ぜて細かく刻んだ野菜をいれて栄養価を担保する。ハンバーグが好きと判れば、事前に沢山つくってストックを冷凍庫に入れ、小出しに使っていく。これでとりあえず子供の栄養価の確保はなんとかなる。

 

一方、自分が作って食べたいのは花椒がガツンと効いた麻婆豆腐とか、パクチーを散りばめたマトンカレーとか、いきなり的なステーキ等なので全く子供の口には入れられない。

昔米国に住んでいた時もよく料理を作ったが、料理ってストレス解消の効果があると思う。厨房に向かう時、他のことをすっかり忘れて集中できる、美味しい出来上がりの姿をイメージしながらいかに要領よく食事の準備をしつつキッチンの片付けを両立させるか常に研究を続けている。

この一月を振り返って

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英国に来て主夫として生活が始まり、まもなく1ヶ月が経とうとしている。まさに生活を立上げるための1ヶ月だった。振り返るといろいろな出来事があった。時系列に並べると以下の通り。

  1. airbnbでの仮住まいの開始(-)*
  2. 子供の風邪の悪化(-)
  3. 子供の指をドアに挟む(-)
  4. 新居への引っ越し(+)
  5. 航空便の到着(+)
  6. 子供がベビーカーごと倒れて鼻血(-)
  7. 子供の風邪の回復(+)
  8. 子供を定期的に遊べるコミュニティセンターの発見(+)
  9. 納車(+)
  10. TVの開通(+)
  11. 電話線の不具合によるネットの不通(-)
  12. IKEAで家具購入(+)
  13. 中華系スーパーマーケットの開拓(+)
  14. 船便の到着(+)
  15. ネットの開通

*(+)はQOL(quality of life)の改善につながったもの、(-)はその逆

(1)については、1週間程ベトナム人オーナーの素敵な部屋を借りて住んだのが、正直スーツケースの荷物で暮らす生活は心身共にすり減る一方だった。そのような中で娘の風邪は悪化(2)、さらに指を扉に挟むという(3)が発生した。

1週間娘の看病だけの暮らしに耐え、現在の住居への引っ越し(4)、及び航空便の25箱の荷物が届いて(5)ようやく心が落ち着いた。ハムステッドという居住地域の美しさ、格調高さも癒やされた。

一方引っ越し当日に娘がベビーカーから落ちて鼻血を大量に出し(6)、心が荒む。しかし娘の風邪が大分直ったことで、ようやく娘を連れて、外へ遊びに行けるようになり、自分の心も開放感にひたることが出来た。(7)

 

そこで次のステップとして、子供が毎日通えるような地域の子供教室を探して更に生活のリズムを整えていく。(8)

依然TVやネットは開通していないものの、先行してマイカーが納車される。結果近くのショッピングモールへ買い出しが大量にできるようになり、食料は勿論のこと、ミネラルウォーターや、ビールのまとめ買いなどができるようになり、食事の準備の不自由から開放される。(9)

TVのセットトップボックスとブロードバンドルータが届く。TVが見れるようになる(10)。娘にTVを見せている間に家事に専念ができるようになる。一方ブロードバンドについては繋がらず暫く業者とクレームのやり取りが続く(11)。

マイカーにより10マイル四方程度に行動範囲が広がる。まずはIKEAに向かい収納家具や洗面所のツール等の充実を図る(12)。更には、中国系資本の大型スーパーマーケットに行き(13)、日中韓および東南アジアの食材を買い込み、毎日の料理のバラエティの充実が図れるようになる。

船便52箱が到着し(14)、一旦片付けた段ボール箱が再び部屋いっぱいになるが、洗剤、食器、米・味噌・各種出汁の素、味ぽん等の調味料が到着する。

ネットがつながり、Wifi環境が整備される。生活情報の収集が簡単に行えるようになったことと、家計簿等をWebサービスで記録していくことができるようになった(15)。

主夫として、自宅に娘と居ることがデフォルトの身としては、この環境の一つ一つの改善が、育児、食事、掃除、洗濯といった家事の遂行に影響を与え、ついては心身の健康に繋がることが身を持って思い知らされた。

環境の整備はまだまだ続いていくが、自分のスキルもまだまだ足りないことが多い。来月辺りには自分の仕事や趣味の時間を作れるくらいに家事・育児の効率化とクオリティのアップを狙っていこう。

※写真は今日訪れたハイドパークのWinter Wonderlandという移動遊園地。大勢の人でごった返している。なにせ春のような暖かい気候、ダウンを着こむと汗が噴き出してくる。TVのニュースによると最近は1960年から4番目に気温が高い異常気象が続いているのだとか。