マニュアル車の運転で大ピンチ 前編

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ヨーロッパはなぜかマニュアル(MT)車が多い。オートマ(AT)の方が楽に決まってるのに。

ロンドンは道も狭く、道路工事も多く、したがって渋滞も多くてイライラする。ストップ&ゴーもしょっちゅうである。しかもラウンドアバウトは交差点ほど停止がすくないことが売りなのだが、意外と混んでいる場所では入り口で一旦停止になることも多い。

MT車がが多い理由としてよくヨーロッパは高速が多いからとか、街が小さいから渋滞しないとか一般的に言われてはいるが、どんなに理由をつけてもATのほうが片手で飲み食いできたり、カーナビを操作できたりメリットばかりだ。

近所に路駐されている車の運転席を覗いてみる。約半分がMT車だ。BMW M4やロードスターなどスポーツ系は勿論MTだが、10年落ちの車や、セアト・シュコダなど安い車はMT、一方BMW3以上・アウディA4以上、メルセデス・レンジローバーあたりはほぼAT

まあ、金があればATにするということなんだろうと思う。

ところで、先日スコットランドのエジンバラで開かれるマーチングの祭典、ミリタリータトゥを観に行った。

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これはこれでブログが書けるくらい良いものだったのだが、もちろんそれだけでは勿体ないので、1日レンタカーでのドライブの日を設けた。向かうはエジンバラから東に1時間半。Loch Lamond & The Trossachs 国立公園。

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というわけで、朝一人エジンバラ駅のレンタカー屋に車をピックアップ市に行ったのだが、なんとまあ、妻が予約していたのはMT車。ジープ・レネゲード。

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めちゃくちゃ緊張が走る。「運転できるのだろうか??」

AT車が在庫にあるか聞いてみたが、出払ってないとのこと、もう決心するしか無い。

とりあえず涼しい顔でお店のお姉さんから鍵を借り、イグニションキーをひねる。

思い返せば、最後にMT車を運転したのは20年近く前、大学のサークルの合宿で乗った友人のR32型スカイラインではなかったか。坂道発進を失敗して後ろにググっと下がったのを何となく覚えている。

半クラで発進!!と思いきや「プスン、ガツン」エンスト。。。お約束。

気を取り直してスリスリ発進。おっと完璧!とおもいきやまたエンスト。これを繰り返すこと数回。

しかし、これは序の口、試練がいきなり訪れる。

エディンバラ駅のレンタカー屋は公共駐車場の地下二階に位置しているのだ。出口に向かうスロープの前でエンストしてしまい、坂道発進の必要性に迫られた。

ウォンウォンうなるエンジンと、一向に進まない車。スロープの入り口で四苦八苦する自分。

見かねたレンタカー屋のメカニックさんが来てくれた。
なんのことはない、ギアがきちんと1速に入りきっていなかったのだ。

そして地上に出る。ここはどこだ?

まず最初のミッションはこの車で家族の待っているエジンバラ城近くの宿まで戻らなくてはならない。

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冷や汗も止まらない中、追い打ちをかけるようにトラブルがやってきた。オプションで頼んだ外付けのカーナビを取り付けると、なんとドイツ語。英語に戻す方法がわからない。かといって現在の坂道スキルではもう一度地下二階までまた降りて戻れる気がしない。

なんとか想像力を働かせてドイツ語のカーナビを操作、目的地セットをすることができた。

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ここから宿までたった1キロ先なのだが、現在地のエディンバラ・ウェーバリー駅は谷底に位置し、目指す先は山の上の旧市街のど真ん中。狭い石畳の坂道を走るという難易度S級のミッション。嗚呼、めまいがしそうだ。

つづく。