集団食中毒

poisoning

一家で食中毒事件が発生。いやー、恐ろしかった。

日曜の朝、起きてからずっと胃の調子がすぐれない、コーヒーを飲み過ぎたのようなシクシクとした痛みが少々あった。そんな朝だった。

にも関わらず気分をすっきりしたい思いでコーヒーを飲み、朝食のために脂っこいソーセージをフライパンで焼いて食べた。妻と娘にも食べさせた。義理の両親は既に朝食を済ませていたので食べることはなかった。

これが後で悲劇を生むことになるとは思いもよらなかった。

その後妻と義母はコロンビアフラワーマーケットにショッピング、自分と娘と義父はお留守番。

午前中は子供の遊び相手をして過ごすものの、胃が重くて身体をうごかすのも億劫。自分は一歩も動かず子供におもちゃを持ってこさせて遊ぶ。しかもなんだか外の空気が寒く感じる、気温20度以上あるのに。窓を閉める。

昼は義父の作るスパゲティ・ボンゴレと白ワインをいただく。

まもなく体に更に異変が、き、気持ちが悪い。。。身体が動かない。。

吐き気は若干するものの、吐くまで至らない状態。

体温計は平熱を示しているが、寒気が止まらない。体の関節がキシキシしている。どう見ても熱の前兆だ。

どうにもならないので娘を昼寝させるのに合わせて自分も寝込む。

間もなく出掛けていた妻も昼も食べずに帰宅、同じように気持ちが悪くなったようだ。熱も37.9度あってそのまま寝込んでしまった。

一方娘は元気そのもの。但し午前2回のウンチは普通だったのだが、3回めからは下痢になってしまった。それでも、いつもどおり元気なのでなかなか寝付かず、我々病人二人が寝る布団の上に遊んで乗りかかってくる。

その度に「うえ~」という悲鳴が私か妻から上がる。

寝床に臥し、ふらふらの頭で原因を考える。我々だけ体調を崩して義理の両親は無事。。。ソーセージ以外に考えられない。英国のソーセージは直径3センチ位の太さがあり、中身は生なのだ。かなり念入りに焼いたのだが、それでも火が通ってなかったのだと思う。

sausages

では何故娘は無事なのか?

それは、焼き方に差があったのだ。ただでさえ大きなソーセージ、子供の分は1/4本程度をフライパンで切って細かくして、多少内側を焼いたのだ。だから、中心部も火を多少通すことが出来たのだと思う。

一眠りして、胃のムカムカが最高潮に達する。とうとうトイレで吐き出すことを決心。

「オエ~」

ふう。膨満感はなくなり、多少これで動くことは出来るようになった。しかし胃のムカムカと身体をくの字にまげたくなる重さは依然続いている。

妻は38.6度に熱が上がり、完全ダウン。

自分が娘の夕食を作らねば。

義母がつくってくれたおかゆと冷蔵庫にあるシュウマイをレンジでチン、そして味噌汁はインスタント。とてもじゃないが作れない。食事の匂いだけでも「ウッ」と来る。子供に食べさせつつ、自分はテーブルに突っ伏す。

「パパの、ないねー」と2歳半の娘。

「うん、パパ、おなかいたいの。食べられないの。。。」

その後も妻の体調が戻らない上、更には義母も体調が悪く寝込んでしまう展開となり、ついに休日診療の門を叩くことに。19時頃病院に電話をかけ、アポを取る。

自分は子供のお風呂と寝付かせをしなければならないので留守番。まあ妻と同じ症状なので一人見てもらえればその結果を聞けばいい。

義父が運転する車で妻と義母が病院に送られていく。自分は次なるタスクが始まる。娘のお風呂だ。

お風呂と言ってもシャワーだけなのだが、腹痛と闘いながらの服の脱着、タオルでのふき取りも全部自分一人でやるのは辛い。裸で逃げまわる娘をなんとか捕まえ、出ない力を振り絞って着替えさせる。

そして子供を寝付かせるのだが、いつものごとく本を読んでくれとせがまれる。何故か「サンタクロースとれいちゃん」、「ふたつのいちご」、「ズボンのクリスマス」という3部作をグルグル繰り返し読ませられて、もはや拷問。

自分の体温も38.2度になっている。はやく帰ってきてくれー。

妻たちを送り出して1時間半、やっと帰ってきた。

診断結果はやはり食あたりによる胃腸炎のようだった。妻に処方された薬を分けてもらい飲んで寝た。

痛みは翌朝には治っていたが、体の節々の痛みと頭のくらくらが少々残った。

翌朝、ソーセージを見るのも嫌だったが、パッケージを見ると賞味期限が820日、そして我々が買ったのが20日、食べたの21日。ひどい話だ。期限ギリギリのものを定価で平気に売って罪もない消費者を陥れるとは。

正直怖くて暫くてイギリスソーセージはたべられない。まあそれほど美味いものでもないから無くても困らないし。

イギリス発フィヨルドクルーズの旅 その6

7日目 Thu. 7/22

北海海上

今日も朝はまずまずのいい天気。今日のタスクは広げた荷物をスーツケースに戻して、夜9時までに部屋の前に出しておくこと。それ以外は気ままに最後の船の旅を愉しむだけ。

north_sea

午前中は娘とスイミングプールでのんびりと。

swimming_pool

ビール片手に読書なんかもしてみたりして。

north_sea2

最後に娘が大変お世話になった託児所の素敵なおねえさん達と記念写真。ちゃんと前向いてよ。。

nursery

娘を預けている間に最後のディナー。ソノマのワインをいただく。カルフォルニアワインらしくどっしりフルーティで美味い!ヨーロッパのワインばかり飲んでいたからこういうのもすごくいい。

canonball

ちなみに、ワインは都度ボトルをレストランで注文することもできるのだが、旅の最初に4本、6本、9本、12本をまとめてパッケージで購入し、必要に応じてレストランで飲むことが可能。自分は4本88ポンドで購入。一本22ポンドの計算。この方が全然安上がりである。飲み残しは船室に持ってかえってもいいし、レストランでキープしてもらって翌日も飲むという船の旅ならではのリクエストも聞いてくれる。

wine_package

8日目 Fri. 7/23

サザンプトン港着

早朝にはサザンプトンの湾内に到着。朝食を済ませ、下船の準備が始まる。

southampton

到着した後も暫くは待たされる。なにせ1,000人規模で人が乗っているので下船も順番なのだ。

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その間船のデッキを娘と探検。

southampton2

この後、港からタクシーでサザンプトン駅に戻り、ロンドンに戻る。クルーズ船の旅は楽とはいえ、7泊8日も日本食も食べず、枕も違う生活をするとさすがに疲れる。家に帰ったら普通に白いご飯に味噌汁が食べたい、いやまて蕎麦かラーメンでもいいな。なんて思っていた矢先、自宅ではそうは簡単に休ませてはくれない事件が発生していたのだった→断水事件へ

<フィヨルドツアーのレポートは以上です。全6回に渡り、お付き合いありがとうございました。>

イギリス発フィヨルドクルーズの旅 その5

6日目 Wed 7/21

スタヴァンゲル着

本日の寄港地はスタヴァンゲル、北海油田の産業で栄える街。今日はとくに何もしない、さすがに数日間いろいろ動いて疲れてしまったので、歩いて街を散策するにとどめておくことにした。

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船着き場の横は旧市街。18−19初頭に造られた街並とのこと。白く塗られた木造の家屋と庭や軒先に咲き乱れる花々の組み合わせが可愛らしい。

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娘は早速児童公園を発見、久方ぶりに砂場で戯れて大興奮。親的には汚れるしちょっと勘弁なのだが、子供にはストレスの多い船の旅、これで少しでも発散してくれればいいや。

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同じような旅のお友達が遊んでくれて楽しそう。

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公園から港側を見るとオーロラ号が。可愛い街並からヌッと姿を出す巨艦、この2つのコントラストがフシギな風景を作り出している。ベルファストに停泊するホワイトベースもこんな感じで見えるのだろうか。

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旧市街を抜けて、おみやげを探しにショッピングモールへ。娘はやっぱり観光地よりこういうほうが好きらしい。キティちゃんカーによじ登ってあそんでいる。

17-08-2016 22:56

いよいよノルウェーとお別れ

早々にキャビンに戻り、昼食以降は線上で過ごす。夕方の出港時にはフェアウェルセレモニーが行われた。ユニオン・ジャックを国歌やいろいろな音楽に合わせて振り、スタヴァンゲル港から見送る人たちに別れを告げる。

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これで数日過ごしたノルウェーもお別れ、明日は一日北海上で過ごし、翌々日はサザンプトン港に戻る。

つづく

イギリス発フィヨルドクルーズの旅 その4

5日目 Wed.  7/20

ガイランゲル(ガイランゲル・フィヨルド)着

この日はここまでの旅一番の天気、スカッと晴れた青空にジリジリと照りつける太陽が痛い。

geiranger

今日は親子3人で丸一日、’The Roof of Norway’と題するバスツアーに出掛ける。本ツアーは、海辺のガイランゲルの街から一気にそそり立つ山を登り、標高1,500mのダルスニッバ(Mount Dalsnibba)展望台に向かうというもの。ユネスコの自然世界遺産であるガイランゲルフィヨルドの上から下まで余すところ無く楽しめる内容になっている。

そもそもガイランゲル自体がオスロから電車・バスではとても行きづらい秘境なので、クルーズ船で朝起きたら到着、というのは本当に便利である。

flydal_gorge

バスは谷間の山道をぐんぐん登り、ガイランゲルの街と停泊するクルーズ船が小さく見下ろせるようになる。まるでおもちゃのようだ。あまりの美しさにこのビューだけでも来た甲斐があると思える。

mountain

谷の反対側を見ると、遠くに雪山が。これからあの雪山の山頂を目指すのだ。

どんどん高度を上げていくと、1,000mも登らないうちに景色が2,000-3,000m級の高山の様になっていく。北極圏に近いだけに、植生の移り変わりが早い。mountain2

とうとう岩と雪の世界になってしまった。

rock_and_snow

そして標高1,000mにある美しいデュプバトン湖(Djupvatn Lake)が見えてくる。

Djupvatn_Lake

そして湖を見下ろすように一気に山頂へバスは登っていく。雪解け水で出来た湖、神秘的な色をしている。後ほど下のドライブインで昼食を取ることになるだが、トラブル大発生。詳細は後述する。

Djupvatn_lake_water

標高1,500mのダルスニッバ山頂に到着。はるか遠くまで雪山が続く。

dalsnibba

やって来た方角を望む。遠くにガイランゲルの港が見えるのが判るだろうか。

Dalsnibba2

そして生まれて初めての雪に娘も大興奮!!

snow

問題発生!

バスの中は狭く子供には少々つらい旅ではあったが、ここまでは家族全員順調に旅をこなしてきた。ところがお昼を食べようとバスが湖のロッジに戻る途中で問題が。

娘が鼻血を出したのだ。鼻血自体は珍しくはなく、指を鼻に突っ込んで時々出したりしている。従って最初はすぐ止血すると思ったのだが、これが標高が高いからなのか、これがなかなか止まらない。そうこうしている内に、バスは停車し、皆食堂に入り始めてしまった。

食事の席はツアー客同士で相席になるのだが、我々家族は鼻血であたふたしている間に食堂への入場がビリになって、相席が夫婦でバラバラになってしまった。鼻血もとまっていないのに最悪である。鼻血の対処をしながら、自己紹介等相席客と社交をしつつ、子供にメシを食わせ、自分もメシを食うという状況はもうわけがわからない。何を食ったのかもよく覚えていない。

ブラックタイ・イブニング

船は午後6時に出港。静かにガイランゲルを離れていく。ノルウェーは緯度が高いため8時でもこの明るさ、11時半には日没するが、日が変わってもしばらく薄明るい。この日の夜はブラックタイ・イブニングと称し、基本的にドレスアップをしないとレストランやバーに入れない。子供を託児所に預け、ディナーの予約を待つ間バーで軽く一杯。キリッと冷えたジントニックで鼻血の一件でかいた大汗もクールダウン。

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相席ディナー

今日は何かと相席が多い。夜は夫婦2人でレストランに入ると、丁度混み合っている時間もあって相席になってもよいかと訊かれた。あまり遅くなっても娘のピックアップに差し支えが出るため、OKの返事をする。すると、イギリス人の年配夫婦2組と円卓を囲むことになった。最初は結構緊張だったが、割りとリベラルな人たちで、日本に親近感をもっており、結構面白かった。BrexitについてもRemain派で、既に英国の医療・介護の世界は移民の労働力がなくては成り立たないのに、これからどうするのかと憤慨していた。船で出会ったお年寄りはロンドン以外の地方出身の金持ちが多く、外人に興味が薄く、Brexitには勿論Leave EUのスタンスのバリバリ保守みたいな人が見受けられたのでちょっと心配だったのだ。

夜も更け、船はガイランゲルフィヨルドを抜け三度北海に出る。明日はスカンジナビア半島を南下し、北海油田の基地、スタバンゲルだ。

つづく

イギリス発ノルウェー・フィヨルドクルーズの旅 その3

4日目 Tue. 7/19

フロム(ソグネ・フィヨルド)着

フロムは世界で一番長いソグネ・フィヨルドの奥の方にある小さな村。外海から数百キロ内陸にあるため、クルーズ船はまるで大河のような海原をすすんでいく。あたり一面はこれぞフィヨルドという地形で感動。まるで山奥の湖かと思うような静かな海の両側に急峻な山がそそり立っている。そして山の斜面の所々には雪解け水の瀑布が流れ落ちている。

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今日は昨日に増して、霧雨の混じるどんよりとした天気。しかしむしろフィヨルドらしくもある。気温は13度で、かなり寒い。服装は早春か晩秋の格好が必要だ。自分は雨風が防げるフードつきのナイロンジャケットを着て下船。今日は朝からやることが盛りだくさん。朝一で山岳鉄道に乗り、車窓からフィヨルド地方の景色を眺め、午後はボートでフィヨルドの海を遊覧する。

山岳鉄道に乗る

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我々は船の用意するオプショナルツアーで山岳鉄道の旅に参加した。山岳鉄道はふもとのフロム駅から標高870m上のMyrdal駅まで片道1時間の旅、そのあと列車は折り返し元のフロム駅まで戻る、という流れ。

waterfall

このような緑深き山から数百メートルにわたって滝が流れる豪快な景色が楽しめる。そして途中駅で一旦下車。

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そしてこの駅のプラットフォームの裏手には大瀑布が。

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あとで知ったのだが、この滝がプラットフォームの下をくぐって反対側に流れているのだが、その先には水力発電所があるらしい。ノルウェーは水力発電でほぼ国内電力をまかなっているのでエネルギーを輸入する必要が無いらしい。しかも北海油田で採れる石油は全部外に売っているので儲かって仕方ない、EUなんて加入する必要がない豊かな国とのこと。

ここにも中国からの観光客が

折り返しの山頂駅であるMyrdal(ミュルダール)から中国人ツアー客が数百人乗ってきた。恐らく簡体字のツアー会社名が書いてある事、小池さんパーマとピンクのダウンジャケットを身にまとったおばさん達が多いのでメインランドからいらっしゃったのだろう。とにかくマナーが洗練されていなく、やれ右に滝が見えるぞとなると右の窓にカメラをもった人たちが密集し、左も然り。座っている我々は視界が塞がれ車窓を楽しめたもんじゃない。。。

mountain

まあそんなこんなで2時間強の旅は終了。お昼は船に戻って食べることにした。もう少し天気がよいと写真も美しいだろうなあと思う。

Flam_station2

船と列車が同時に視界に入る景色は面白い。そのくらい小さな村なのだ。

ゴムボートでフィヨルドサファリツアー

食事を済ませ、午後からは次なるツアー、RIBボートで行くフィヨルド探検。この旅の一番の楽しみのうちの1つ。オンラインでの事前予約時に本ツアーは12歳以下は参加不可とあったので、子供は託児所に預けて遊んでいる間に夫婦で行くつもりだった。

大問題発生

いつもの様に子供を託児所に連れて行き、チェックインを済ませる。保育士のおねえさんから、どこに行かれますか?と質問が。何の気無く、「オプショナルツアーでボートに乗ります。」と答えた所、驚愕の事実が判明。「残念ながら託児所に子供を預けて、保護者全員が下船することは出来ないんです。」。

「ええええ???」絶句する我ら夫婦。

「もし出ようとしても、下船時のチェックアウト時にデータベースの照合で引っかかります。」とのこと。

そういう決まりなら仕方がない、だけどもう少し親切に説明があっても良かったのにと思う。これまで満足で来たクルーズの旅だったが、少々いらっと来た瞬間であった。仕方がないので、私が残り、妻に遊んできてもらうことにした。でも私の分のお金は戻ってこない。。。

妻の撮った写真をどうぞ。

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