リスボンの旅2日目はリスボン郊外のベレンをはじめ、若干郊外を訪問。世界遺産であるベレンの塔およびジェロニモス修道院を始め、博物館などもあり見どころのある場所。
まるでドラクエ、ベレンの塔
ベレンの塔は中世に建てられた要塞。手前に広がるテージョ川の監視や税関、灯台に使われてきたらしい。ファンタジー色たっぷりで見応えあり。地上は4層、地下は牢屋になっており、風のマントを纏ってとびおりると対岸に着きそう、そんな建物。
塔の上から見下ろすと更にドラクエ。塀や石畳とかも8ビットぽく、宝箱や階段がありそうな雰囲気。子供が小学生くらいならばきっと喜ぶ場所に違いない。生憎天気が悪く、雨風が強くてゆっくり観光出来なかった。
その後ジェロニモス修道院を訪問。ここも世界遺産。大航海時代の栄耀栄華を偲ばせる豪華な建物。大きすぎて全部は回りきれない。中にはインド航路を開拓したヴァスコ・ダ・ガマの棺があった。
そしてやはりベレンでもエッグタルト。地元の名店、ベレン洋菓子店のエッグタルトは必ず寄るべき場所。ここのエッグタルトもうまかった。持ち帰りたいが焼きたてじゃないと魅力が半減するので、やはりポルトガルに来て食べないとこの味はわからない。
この後、市内中心方面に移動、南蛮金屏風を観に国立古美術博物館に立ち寄った。江戸初期、ポルトガル人がインドのゴアから日本に来航するまでを描いた屏風。これはすごく素晴らしい。はるか遠いヨーロッパまで来て、400年前の日本とポルトガルとの関わりを示す絵画を観ることに歴史のロマンを感じる。
子連れ旅の移動はUberがおすすめ
この日の移動はトラムを使ったら片道30分かかる距離だったので、ほぼすべてUberを利用した。リスボンでもUberは広まっており、大体呼び出して4,5分で乗ることが出来た。どれもクルマは新しく綺麗で、ドライバーも基本的に英語が話せる人ばかりで快適だった。さらに人懐こいポルトガル人、うちの娘を見るなりカワイイねーとあやしたり、ここを見ろ、あそこに行けだの、日本のアニメが好きだとか、いろいろ話しかけてきて面白い。こういった地元民との人情味溢れるふれあいもUberの副産物ではないかと思う。決して日本のような安心・安全な国ではないので、空港タクシーでさえボッタクリもよくあると聞くし、実際流しのタクシーを捕まえて場所を伝えても変な回り道をしてたどり着くのに無駄な時間と費用がかかったりしたので、場所を事前に伝えて支払も安心なUberで移動することをおすすめする。
民泊先の注意点
Airbnb経由で宿泊した先はバルコニーから川が望め、地下鉄駅やトラムの停留所に近く、立地は便利だったが、坂の多い街であることと、古い建物だったのでいくつか問題があった。民泊の際は気をつけたい。
- 暖房がセントラルヒーティングではないので、夜寒い
- 古い建物ゆえ、建物自体に暖房設備がなく、オイルヒーター2つしか無い部屋だった為、到着の晩がたまたま摂氏5度程度に冷えたため、小さなヒーター2つでは出力が足りず、むちゃくちゃ寒い思いをした。その後は普段どおり夜でも11度程度だったのでなんとかなったが、暖房設備は盲点だった。
- 給湯器のタンクが小さく、お湯が不足する
- タンクが小さいゆえに、シャワーを使っているとお湯がなくなって水に変わる。恐らく一人で入る分には問題ないのだが、子供と一緒に入るとなると、時間もかかるのでお湯の量が足りなくなり、初日は子供の髪の毛を洗う前にアウトになってしまった。
- 階段がきつい
- これは事前にオーナーと確認したのだが、階段があるけどまあ大丈夫、みたいな話で安心してしまった。実際行ってみると想像以上に階段が狭く長く急で登り降りが辛かった。しかも建物内だけでなく、斜面に立地している為、建物自体に入るのにも階段を登る必要があった。幸いオーナーが親切でスーツケースを運びこむのを手伝ってくれたのが救いだった。
総括
リスボンはとにかく街の人々が親切で、子供に優しく、うちの娘をまるで我が子の様にかわいがってくれたのが印象的だった。道端でも、トラムの中でも、レストランでも、Uberの車中でも子供に「オラ!」とニコニコ声をかけてくれる。初日はレストランでウロつく我が子をすっと後ろから手を伸ばしてイスに座らせるスーツの紳士がいたのだが、乗せたあとに我々に向かって、”Bem-vindo a Lisboa (Welcome to Lisbon)”とか普通に喋りかけるところがカッコイイ。人懐っこいけれどお節介にならぬ爽やかさがあるのがポルトガルの人々だった。
街の景色は坂の多い複雑な地形のせいか、とにかく様々な表情を見せてくれる。ちょっとした坂道から見下ろす川の水面、白黒のタイルの石畳と壮麗な建築物や、鮮やかな壁と青いタイルの民家、おしゃれな街角のカフェ、薄汚れてゲットー感たっぷりの旧市街などなど写真に収めるときりがない。また機会があれば訪れたい。
これで暫く旅行はお預け、また家事と育児の主夫の日常に戻っていく。