子連れボルドーの旅 その4

4日目:スパでのんびり

帰国当日の朝は、チェックアウト前に妻に誘われスパに行くことにした。昨日大成功だったので、また子供はベビーシッターさんと遊んでいてもらった。spa

そもそもこちらのコーダリーという名前は、化粧品ブランドの名前で、このホテルはその化粧品会社が経営しているのだ。だからこちらのスパはある意味メインの施設でもあり、駐車場を見る限り、これだけを目的にやって来ているひとも居るようだ。spa_pool

フェイシャルエステを終えて、ジャグジーに入る私。日本の温泉が恋しい。jaccuzi

窓の外には屋外プールが見える。この季節は勿論閉鎖中。outdoor_pool

子供の迎えまで時間が少しできたので、ワインバーに寄って一杯注文。bar

グラスを片手に外に出る。bench

ワイン畑で一杯やる。気分は最高!
私はスパよりむしろこっちのほうが癒やされるかも?vinyard_with_wine

その後、娘と合流。庭を更に散策、動物もいる。animals

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終わりに:子供連れでも楽しめるボルドー、10月上旬に旅せよ。

たまたま結果オーライだったのだが、10月上旬に来て正解だった。10月からボルドーはローシーズンに入り、コーダリーの値段も下がる。4月までローシーズンなのだが、平均気温を考えると、4月よりこの季節のほうがずっと暖かく、過ごしやすい。一方で赤ワインの原料となる黒ブドウは収穫時期の最中、年に1回しか見られない仕込みの行程を見学でき、非常に貴重な体験となった。

子供連れだったが、ボルドー市街は勿論問題なく過ごせ、郊外のワイナリー巡りドライブも楽しめた。確かに1日に何箇所もワイナリーを訪問するのは難しいが、行きたいところを絞って訪問すれば無理ではない。

おわり

子連れボルドーの旅 その3

2日目夕方:レ・スース・コーダリー到着

前回の投稿で紹介した、駆け足のドライブを済ませ、夕方5時頃ホテルに到着。このホテルはワイナリー(シャトー・スミス・オー・ラフィット/Chateau Smith Haut-Lafitte)の敷地内にあり、これぞヨーロッパのリゾートといった趣。

エントランスのシャトー

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シャトーに入るとオシャレなレセプションホール。

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シャトーの上に上がると渋いシガーバー。

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シガーバーから眺める敷地の一部。池の向こうにはシャルドネのブドウ畑。右奥のコテージに我々の宿泊する部屋がある。この他にも宿泊等が散在している。

overview

白鳥が優雅に泳ぐ池の向こうから見たメインの建物。手前の部分はミシュラン一つ星のレストラン「ラ・グラン・ヴィーニュ」。

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池沿いを歩き、コテージに向かう。

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可愛らしい、山小屋風の部屋。窓からは池が見えてとても癒やされる。

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そして敷地に広がるブドウ畑。ホテルの向かいに見えるワイナリー。Chateau Smith Haut Laffitの文字が見える。宿泊者は特典として、ワイナリーを無料で見学できる。

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食事については、子供も居る都合上、ミシュラン星付きのレストランには行かず、下の写真の「ラ・ターブル・デュ・ラヴォワール」で夕食は全て済ませた。こちらもフランス田舎風の素敵な内装で、地元の素材をつかった料理が揃っている。勿論ワインリストもシャトー・スミス・オー・ラフィットを含め、グラーブのワインがグラス単位でもいろいろ楽しめた。子供のことを心配しなくていいからこれで十分満足。

bistro

3日目:ワイナリー内外を探検

サイクリング

翌日朝はブドウ畑をサイクリング。ダメ元でチャイルドシートがあるか確認したら、なんとあった。さすが高級ホテル、訊いてみるものだ、なんでもある。

cycling

畑の間の農道をこいで行く。晴天に恵まれてよかった。ちなみにボルドーは年間200日以上晴天なのだそうだ。ブドウを成長させるには日照が必要だし、ブドウを凝縮させるには過度の雨天はご法度。ここがワイン造りに適しているのも頷ける。
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畑ばかりかと思いきや、こんな軽井沢的な木立もある。アップダウンもそこそこ。残念ながら、自転車のギアが壊れていて変速が思うようにできない。体重重めの娘を後ろに乗せていると結構辛い。

woods

途中道に迷ったりして、30分弱でレオニャンの村に到着。AOCペサック・レオニャンのレオニャンである。

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昼飯のパンとカヌレを村のパン屋で購入。

bakery

帰りがけ、たまたま通りすがったホテル近くのChâteau Larrivet-Haut-Brionに訪問。収穫の時期なので、選果の機械が動いていた。さすがに飛び込みなので作業場を見せてもらうことはできなかったが、ショップで試飲をさせてもらった。飲んでみると赤はもちろん、白は値段が安い割に結構美味い。お土産でそれぞれ1本ずつ買ってしまった。

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Chateau Smith Haut Lafitte シャトー見学

午後からは子供をベビーシッターに預け、夫婦で敷地内のワイナリーツアーに参加。

chateau_smith_haut_lafitte

まず案内されたのは樽づくりの工場。樽は樽商人から購入するのが普通で、このようにシャトーで樽を自らつくるのはボルドーでは5大シャトー以外ではここ位だと言っていた。たしかに長期熟成ワインほど、樽の素材や内側の焼付加減がワインの風味を左右するので、すごい力の入れ方である。

cooper

次に醸造場。訪問したのが10月の第1週、既にシャルドネ、セミヨンなどの白ブドウはどの畑でも収穫が終わっていたが、黒ブドウの収穫時期の始まりと丁度重なった為、珍しいブドウの仕込み行程を見学できた。写真は、奥の自動選果機で粒が小さかったり、腐ってたりするブドウを取り除いた後、最後に人の手で細かな枝や茎を取り除いているところ。粒の揃ったブドウだけが、大きなバケツ上のコンテナに入れられていく。

winery

数百キロはあろうかというコンテナいっぱいのブドウの山。これはメルロー。カベルネ・ソーヴィニヨンの収穫は遅く、あと2週間くらい先とのこと。つまんで食べていいというので、食べてみたら甘かった(当たり前か)。食用ブドウとの違いは、粒が小さく、酸味は少なく、皮は熱く、種は大きいということ。口の中で種が邪魔になるので食用には全く向かない。

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コンテナはリフトで持ち上げられ、木造の大きな仕込みタンクの中に投入される。

tank

階段で上に登り、2,5メートルはあろうかという仕込みタンクの中を見せてもらった。

tank

先ほどのコンテナからブドウがドサーーーっと。

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このあと、タンクの中で果実を潰し、撹拌し、発酵をさせていく。発酵が終わると、小さなオーク樽に詰めてさらに熟成させる。下がそのセラー。

cellar

このワイナリーは、オーナーが元フランス代表のスキー選手で、その後ビジネス界に転身し、流通業で大当たり、全ての資産を投げ打ってこのワイナリーを購入し、今に至るとのこと。しかも、奥様が広告会社出身ということもあるのか、見せ方が上手、オシャレ。樽の真ん中を赤く塗ったり、各部屋もきれいに壁が塗られていたり、オブジェが置かれていたりして、単なる醸造所を超えている。

最後に試飲タイム。美味しいけど、ゴメンナサイ、買わなかった。ちょっと自分の好みと違うかな。でも収穫時期に重なった幸運も含め、サービス精神旺盛でとても充実したワイナリーツアーだった。これは本当にオススメ。

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試飲後、我に返り、娘に申し訳ない気持で部屋に戻ると、ベビーシッターさんと超楽しそうにあそんでいる娘の姿が。これにはビックリしつつもすっかり安心した。

夕食前にスイミングプールで娘とひと泳ぎ。水を怖がらない娘はたのもしい。swimming_pool

つづく

子連れボルドーの旅 その2

二日目 メドックをドライブ

この日はボルドー市の北部に位置するメドック地域のシャトー(ワイナリー)を巡りながらドライブ。その後、ボルドー市街のすぐ南、グラーブに位置するスパ・リゾートホテルへ向かう予定を組んだ。

ボルドーでのワイナリーツアーの方法は他に旅行会社の主催するツアーや、タクシーチャーターなどあるが、我が家は2歳半の子供が居るので状況に応じた旅程変更やチャイルドシートの確保といった点を重視し、レンタカーにした。

前回の旅で痛い目にあったので勿論レンタカーはAT車。フランスでコンパクトカークラスのAT車を見つけるのは難しいのだが、なんとか事前に確保できた。チャイルドシートを付けて1日€100位。やはりMTより£40高くつく。その分カーナビは節約のため付けず、iPhoneのgoogle mapsでなんとかすることにした。

今回のドライブルート

ボルドー・サン・ジャン駅で車を借り、ガロンヌ川河口の左側、通称「左岸」と呼ばれるメドック地域の村々を訪れる約3時間コース。途中ワイナリー見学を1軒入れているのと、昼食も含めると5時間くらいかかると見込んでいた。

いきなり大遅刻

折角入念な計画をしていたのに、早速大遅刻をやってしまった。そもそも、日曜日はフランスはレンタカー屋が10時開店というスロースタートに加え、朝寝坊かつレンタカーのカウンターでものすごく待たされてしまったために早くもピンチが訪れた。11時半に予約していたシャトー・ジスクールの見学に間に合わなそうなのだ。

その後も焦ってハンドルを握れば焦るほど蟻地獄のようにピンチは続いていった。見知らぬ土地ということと、慣れないgoogle mapsの指示に戸惑い、ラウンドアバウトの出口を間違え住宅地に迷い込んだり。高速道路の出口を間違えてなぜかIKEAの駐車場に突入したりして大パニック、シャトーに到着したのは結局40分遅刻の1210分、もう初っ端から全然だめである。

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終わった・・・と呆然としながら入り口に近寄るとスタッフの方が気配を察知して出てきてくれた。残念ながらあと5分でツアーが終わるよ。テイスティングが始まるけれど、どうする?と聞かれ、暫く悩んだ末、2時からの回にリスケが可能ということで、その時間に出直すことに決めた。これによって、ドライブの予定は大幅に狂ってしまうが、仕方ない。

とりあえず行けるところまで車を走らせ、そのかわり昼飯は抜きという強行スケジュールに変更である。

ドライブ再開、シャトー・マルゴーへ

まず最初に訪れたのは、同じマルゴーにある、かの超高級ワインを産する、シャトー・マルゴー

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メドック各付1級シャトー(5大シャトー)の一つ。同じマルゴー地域といえど、シャトー・ジスクールからは結構離れている。駐車場の入り口の黄色い塀が青空によく映える。

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アポは取っていないので外からシャトーを眺めるだけ。

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一本5万円のワイン、いつか飲める機会が訪れるだろうか。

メドック各付とは

およそ1,500のシャトー(ワイナリー)がメドック地域にあると言われるが、1級から5級の格付けをされるものは僅か61しか無く、その中で第1級に格付けされるものはたった5つ(5つのうち1つは例外的に別地域に存在するので、実質メドックには4つ)。これらはビンテージにもよるが一本数万〜数十万の高値で取引されている。詳しく知りたい方は下記リンクを参照。
【一覧】メドック地区の格付けシャトー(ラベル入り)・ワインノート

マルゴーからサンジュリアン・ベイシュヴェルへ

マルゴーからさらに北上し、サンジュリアン・ベイシュヴェル村へ向け暫く車を走らせる。この区間は各付シャトーは無く、のどかな農村とブドウ畑が続いている地域。

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サンジュリアン・ベイシュヴェルに入り、早速右手に見えるのは日本でもよく見かける船のエチケットのシャトー・ベイシュヴェルの畑。それをぬけた先には記念写真をとれと言わんばかりのワインの像が道端にそびえ立っていた。

天の声に従い、もちろん記念写真。

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ワインの像を抜けた先は、2級シャトーが道路際に次々と現れるゾーン。

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正直こちらのレオヴィル3兄弟については、車道からのシャトーの見た目があまりぱっとしないので、写真も取らず通過。

そしてポイヤック、その後引き返し

そしてついにサンジュリアンとポーイヤックとの村境に到達。

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ポイヤック村に入るとすぐに見えるのはシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの美しいシャトー。

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その斜め向かいにはシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンの堂々たる姿が。まさにシャトーといった風格。

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この2つのシャトーのワインはは日本の実家のセラーで保管しているので、おおっこれか!と感動もひとしお。
いつか抜栓するときにはこの景色を思い出すのだろう。

そして道から奥まったところ、ぶどう畑の向こうにに5大シャトーの一つ、シャトー・ラトゥール

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ラトゥールたる所以、「鳩小屋」と呼ばれる塔が見える。。。はずなのだがこの写真では辛い。中央建物の左端に見えるのが判るだろうか。

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そしてここで時間切れ。ジスクールからここまで40分位かかった。14時のジスクールの見学に10分程度余裕を持って戻るにはここで折り返したほうが良さそうだ。

この先にはポイヤックの村の中心があり、その先には5大シャトーの2つ、シャトー・ラフィット・ロートシルトシャトー・ムートン・ロートシルトがある。さらに進むとサンテステフ村。ハートのエチケットで有名なシャトー・カロン・セギュールがある、そこまで本当は行くつもりだっただけれど、本当に残念。

シャトー・ジスクール見学

結局昼飯の時間も惜しみ、何も口にせずひたすらポイヤックまでのドライブをした我々一家、とんぼ返りしてシャトー・ジスクールの見学(€12/人)に。空きっ腹にワインが染みそうだ。我々以外の見学者はイギリス、中国、テキサスから来た方々、総勢10名。

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日曜日だったので、醸造所は稼働はしていなかったが、畑を周り、醸造タンク、樽を貯蔵する地下室など一通りの説明を受けた。

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何と言ってもお楽しみは最後に試飲タイム。ファーストのシャトー・ジスクール、セカンドのシャトー・シレーヌ・ド・ジスクール、サードで、漫画「神の雫」にも登場したというル・オー・メドック・ド・ジスクールの3つを飲み比べ。

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やはり値段が高いだけあってフラッグシップのシャトー・ジスクールが一番果実味も凝縮して美味い。ただし、抜栓直後の為か、酸味が前面に強め感じ、味も深みが足りなかった気がする、セカンドは香り・コク共に若干薄く、水っぽさがある。サードは正直テーブルワイン、前者2つとは別の生産者のワインではないかと思えるほどクオリティに差があった。おそらく本当のテーブルワインと比べたら十分美味しいのだろうが、今回比べる相手が悪すぎた。シャトー・ジスクールはもう少し時間をおいて飲んで見たかったので、おみやげにガイドさん一押しの2006年ビンテージを購入した。

敷地内には沢山のクリが落ちており、子供が拾って遊んでいた。大きく、つややかなクリなのでとても美味しそう。有名シャトーのクリなんてすごく響きがいいので、記念に数粒持って帰らせていただいた。

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しかし家で茹でてみたらものすごく苦い。重曹をいれて煮たぐらいでは対処できないほどの渋みがあり、全く食用に向かないようだ。誰も拾わないのはそういうことだったのか。

そして5つ星ホテルへ

大急ぎでメドックドライブを済ませたあと、レンタカーを返し、そこからUBERでメドックと並ぶ銘醸地グラーヴ地域にあるホテルへ急いで向かう。今回の旅のメインとも言える、ワイナリーの中に佇む5つ星ホテル、レ・スース・ド・コーダリーだ。1分でもホテルで過ごす時間を増やしたかったのだ。

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そして実際、期待を全く裏切らない完璧なホテルだった。立地環境、建物、敷地、サービス、夢のように素晴らしい場所だった。

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つづく

子連れボルドーの旅 その1

10月中旬、家族旅行でフランスのボルドーへ。ボルドーと言えばワインの都、瀟洒な街並と郊外に広がるぶどう畑とシャトー、大人な街といった風情なのだが、子連れでも十分楽しめるボルドーの旅を紹介したい。

一日目:ロンドンからボルドーへ

ロンドンはガトウィック空港から毎度お世話になっているLCCのeasyjetでボルドーへ。
到着初日はボルドーの旧市街で宿泊。翌日からワイナリー巡りを行う予定だ。

フライト時間は約1時間半。ただし格安航空会社だけあって案の定遅延、到着は結局現地時間3時を超えてしまった。

空港からホテルへの移動はUBERが使えるので安心だった。なんとJaguarでお出迎えだったので少々ビックリした。旧市街まで30分、約35ユーロ弱。

初日のホテルは旧市街のクオリティホテル・セントカトリーナ。しかし、朝九時半に空港についたのに、なぜホテルのチェックインが5時近くなるのか。少々イライラ。

なぜボルドーか?

フランスと言えばワイン、ワインと言えばブルゴーニュと並びボルドーが二大聖地。ワイン好きの自分としてはやっぱり一度は行ってみたい場所なのだ。とくにボルドーは世界のワイン文化の中心。新世界(米国・南米・オーストラリア・南アフリカ等々)は勿論、イタリアやスペインなど欧州の一部も昔からブドウ品種や醸造・流通に渡るまでボルドーワインを模倣し、あるいは超えるべきベンチマークとし、発展発展してきたといって過言ではない。

ボルドーは大西洋岸に面した都市で、パリとスペインのマドリッドを結んだ船の丁度真ん中あたりに位置する。

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中世はフランス貴族がイギリスの王様になった経緯で、ボルドーを首府とするアキテーヌ地方はイギリスの領土だった。その為イギリスとの経済の結びつきが強く、ボルドーワインはボルドーの港からせっせと輸出され、葡萄不毛の地であるイギリスで盛んに飲まれたという。

このように貿易都市、国際都市あった為、ボルドーの街は昔の栄耀栄華を偲ばせる美しい街並が広がっている。
歴史地区の街並は月の港と呼ばれ世界遺産に登録されている。
月の港という洒落た名前は街の形が由来。内陸から大西洋に抜ける、ガロンヌ川に沿って造られた街が三日月のように湾曲しているから。

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ワインに限らず、食文化も楽しい。

まず思い浮かぶのは、お菓子のカヌレ。

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正式名称をカヌレ・ド・ボルドーと呼び、この街の名産品。ラムとバニラで風味づけされたこの焼き菓子、外は固めで中はもっちり。同じ焼き菓子の中でもサクサク、ボロポロするビスケットやショートブレッドと食感が対極である。自分はこれが大好物、幾つ食べても食べ飽きない。

勿論、ここはフランス、肉も魚介もチーズも美味い。

心配事としてはちょっと2歳半の子連れには行き先として相応しいかどうかという点。何となく大人っぽい雰囲気にあふれているので、子供も大人も十分楽しめる旅に出来るよう工夫を凝らしたいと思った。

圧巻!ボルドー市内

勿論パリと比べてしまっては元も子もないのだが、ボルドーの印象はかなり良かった。大きく、清潔で、美しい。
こちらは、ボルドーのランドマーク、ブルス広場&水鏡(Mirroir dEau)

Bourse_fountain

広場の噴水はなんと赤い水が吹き出している。これはワインをイメージしているのだろうか。

広場と川沿いを分け隔てる道路に平行して走るのはLRT。このLRTは珍しく、架線が存在しない。かと言って地下鉄銀座線のような第三軌条でもない。広場の真ん中に停留所があるのだが、ここだけは停留所のサインもベンチも何もない。ただのプラットフォームがあるだけ。広場の景観を壊すこと無く、スッキリしていてすごく美しい。18世紀の建物と21世紀の鉄道まで、何世代、数百年に渡り、全てが統一された美意識の下で維持・発展してきたことが実感できる。

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広場のガロンヌ川側も印象的。何の変哲も無い石畳の広場から水煙が上がり、その後薄く水が張られる。この繰り返し。

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水煙が上がると子供たちが大喜び。

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水煙のあとは、水が湧き出し、大理石の上に薄く水が張られる。これが「水鏡」の所以。

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夜になるとこれがまたとても幻想的。

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旧市街はデパートやブランドショップが立ち並び、買い物環境が充実。ホテルでチェックインを済ませ、イギリスでは買えないオシャレな子供服を調達しに出掛けた。

ディナーはホテルのフロントでオススメのお店を確認。事前に英語HPのあるレストランを調べていったが、フロントのお姉さんに「これは高い割に美味しくないツーリストトラップだから行かない方がいい」と制止された。そこで別に案内されたのが「Chez Jean」入り口はカフェっぽかったのだが、二階に上がると落ち着いた雰囲気。子供用のブースターチェアも完備されており、居心地の良い空間が広がっていた。

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食事も地元の素朴なご馳走といった感じで、ミシュラン星付きレストランのような優雅さはないが、量、味ともに満足、食後のデザートもアッサリとした甘さでとても美味しかった。地元の人もグループで訪れているようで、それなりに安心のお店に感じた。

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夜の街は汚いものが見えなくなるから余計に美しく見える。やっぱりフランスは素晴らしい。

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翌日早朝、河岸を軽くランニングする。朝焼けの街も爽やかである。

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川沿いでは素敵なマルシェがまさに開店準備中。今回は我々は立ち寄る時間がなかったが、ゆっくり街に滞在するのであれば川辺を食べ歩きなど出来てきっと楽しいに違いない。

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そして二日目、今日からどっぷりワインの旅に。目指すはメドック地域、ボルドー最高級ワインの畑を目指して出発する。

つづく

コールラビを食す

イギリスのスーパーの野菜コーナーには日本でもおなじみな野菜に加え、謎な野菜が並んでいる。

見たこともない野菜って基本根菜系が多いような気がする。ほうれん草のような葉物やトマト・ナスなど枝になる野菜は割りと奇抜なものは無い。これらは姿・形が若干日本のものとは違うが、日本人でも見当がつく範囲での差でしか無い。

そして季節が変わると謎な野菜のラインナップに変化があるのが面白い。

最近旬らしいのが、スーパーの棚に登場したのがこの緑のカブのお化けみたいな野菜。コールラビ。

kohlrabi

主夫の腕が鳴る。見たこともない食材をどうやって攻略するか。そしてその料理が美味しければとてもラッキーな気分になれる。想像力をかき立てられる、食材を通じて英国の文化に触れる、非常にクリエイティブなひとときになるのだ。

ネットで調べると、これはキャベツの仲間らしい。

コールラビ(学名:Brassica oleracea var. gongylodes、英名:Kohlrabi)はアブラナ科の越年草。原産地は地中海北部。球状に肥大した茎部を食用とする。語源はドイツ語で、キャベツの意味のkohlとカブ B. rapaの意味のrabiより[1]。和名はカブカンラン(蕪甘藍)、キュウケイカンラン(球茎甘藍)、カブタマナ(蕪玉菜)。いずれも Kohlrabi の直訳である(甘藍、玉菜=キャベツ)。(wikipediaより)

ほかのサイトには、皮のグリーン部分が繊維質で硬いので厚く皮を切り取るべし、ともある。ふむふむ。

包丁を入れると、、、、確かに硬い!一歩間違えると怪我しそうな硬さだ。カボチャより若干柔らかい位の抵抗がある。但し硬いのは外側だけで、中は水分が多いためか、ダイコンのような切り口でざっくりと2つに切れる。

cut_kohlrabi

2つに割った図がこちら。キャベツの仲間とは思えない。ダイコンぽい。

外の皮をガリガリ厚めに剥いて、中の白い部分だけを短冊に切ってみた。

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一口食べてみると、ポリポリ・・・うん、これはシャキシャキ感が強化されたダイコンだ。具体的にいうとダイコンよりも繊維質が強く、水分も少なめ、辛さもないが、ほんのり甘みを帯びた味と爽やかな香りはダイコンを髣髴とさせる。
味噌汁に入れたら普通に行ける雰囲気。

でもそれじゃあ面白く無い。今回は、これでツナマヨサラダを作ってみた。

残りを全て短冊に切って、塩もみし、しなるまで暫く放置。その後若干塩気を落とし、ツナ缶とマヨネーズであえる。

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あっという間に出来上がり。

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これは、うまい。
反省点としては残り物のツナ缶で作ったため、ツナ感が足りなかったこと、コールラビが硬いので短冊が粗めになってしまったのだが、もっと千切り状に出来ればマヨネーズの絡みも良くなってうまくなるはず。これはリピート食材になりそう。