コールラビを食す

イギリスのスーパーの野菜コーナーには日本でもおなじみな野菜に加え、謎な野菜が並んでいる。

見たこともない野菜って基本根菜系が多いような気がする。ほうれん草のような葉物やトマト・ナスなど枝になる野菜は割りと奇抜なものは無い。これらは姿・形が若干日本のものとは違うが、日本人でも見当がつく範囲での差でしか無い。

そして季節が変わると謎な野菜のラインナップに変化があるのが面白い。

最近旬らしいのが、スーパーの棚に登場したのがこの緑のカブのお化けみたいな野菜。コールラビ。

kohlrabi

主夫の腕が鳴る。見たこともない食材をどうやって攻略するか。そしてその料理が美味しければとてもラッキーな気分になれる。想像力をかき立てられる、食材を通じて英国の文化に触れる、非常にクリエイティブなひとときになるのだ。

ネットで調べると、これはキャベツの仲間らしい。

コールラビ(学名:Brassica oleracea var. gongylodes、英名:Kohlrabi)はアブラナ科の越年草。原産地は地中海北部。球状に肥大した茎部を食用とする。語源はドイツ語で、キャベツの意味のkohlとカブ B. rapaの意味のrabiより[1]。和名はカブカンラン(蕪甘藍)、キュウケイカンラン(球茎甘藍)、カブタマナ(蕪玉菜)。いずれも Kohlrabi の直訳である(甘藍、玉菜=キャベツ)。(wikipediaより)

ほかのサイトには、皮のグリーン部分が繊維質で硬いので厚く皮を切り取るべし、ともある。ふむふむ。

包丁を入れると、、、、確かに硬い!一歩間違えると怪我しそうな硬さだ。カボチャより若干柔らかい位の抵抗がある。但し硬いのは外側だけで、中は水分が多いためか、ダイコンのような切り口でざっくりと2つに切れる。

cut_kohlrabi

2つに割った図がこちら。キャベツの仲間とは思えない。ダイコンぽい。

外の皮をガリガリ厚めに剥いて、中の白い部分だけを短冊に切ってみた。

img_7659

一口食べてみると、ポリポリ・・・うん、これはシャキシャキ感が強化されたダイコンだ。具体的にいうとダイコンよりも繊維質が強く、水分も少なめ、辛さもないが、ほんのり甘みを帯びた味と爽やかな香りはダイコンを髣髴とさせる。
味噌汁に入れたら普通に行ける雰囲気。

でもそれじゃあ面白く無い。今回は、これでツナマヨサラダを作ってみた。

残りを全て短冊に切って、塩もみし、しなるまで暫く放置。その後若干塩気を落とし、ツナ缶とマヨネーズであえる。

tuna_,mayo_making

あっという間に出来上がり。

tuna_mayo_salad

これは、うまい。
反省点としては残り物のツナ缶で作ったため、ツナ感が足りなかったこと、コールラビが硬いので短冊が粗めになってしまったのだが、もっと千切り状に出来ればマヨネーズの絡みも良くなってうまくなるはず。これはリピート食材になりそう。

ママ達の乱(パパも少々含む)その2

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前回からの続き

ところが、WhatsAppのママチャットの中で意見は右往左往する。割りとコンサルや証券会社勤務などスマートな仕事をするワーキングママが多いので、現実的かつ論点はそれほどぶれないのだが、園長と話し合いをする前に、我々で事前に意識を統一するミーティングをすべきかすべきでないか、するとしたら誰を巻き込むかで揉め始める。つまり、チャットに入っている親がクラスの全てではないのに、我々だけでアジェンダを決めていいものか、そういった話。

中には長い沈黙の後に突如正論を手榴弾のように投げ込むママもいて、いやいやクラスの親全員に声をかけて事前のMTGをすべきではないか、みたいなことを言い始める。

「それじゃそのMTGの前にコアメンバーで事前MTGしなきゃだめじゃん、効率悪すぎる・・」と苛々する妻。チャットのメンバーについても誰が誰だかよくわからないので、下手な批判は後々禍根を残す可能性もあり、空気を読むのが大変そう。

結局は丸く収まり、園長との会合の前日の夕刻にママチャットに入っているコアメンバーで事前ミーティングをすることになった。

これはチャットの流れから妻が出席することに。場所はルーマニア人ママとスペイン人パパのハーフのカルロスくんの家。そこにママ◯名が集合する。

ここではスペイン人のパパがママ達数名を仕切って議論をまとめていく。パパは会計系コンサルファームのプロセス・マネジメント系コンサルタントなのだ。

親それぞれにいろいろ不満点はあるが、園長に皆で伝えるべきは親共通の問題に絞ること、それ以外は個別に相談すること。共通の問題とは:

  • 2,3歳児クラスのリーダーが不在である事(リーダーが産休明けでフルタイムで勤務していない)
  • その結果、クラスの管理がカオスと化している事(子供のトラブル、部屋が汚いなど)
  • また、どのような保育をしているのかを始め、保育士がコロコロ変わって顔と名前が一致しないなど園と親とのコミュニケーションが不足していること。
  • 我々としてはナーサリー感謝もしているし、親としてナーサリー生活をサポートしたいと思っている事。
  • だからこそ、単に不満を述べるだけでなく一緒に考えていきたいと思っていること。

この議論の中で、ママの一人にPwCだかどこかのプロセス・マネジメントの元コンサルタントだったりして、「このナーサリーは業務プロセスに問題がある、コンサルを入れるべきだ!」とか「先生には名札を付けさせ、テンポラリーとプロパーで色を替えてルべきだ!」などどんどん盛り上がる始末。

ともかく上記のような論点をまとめ、親それぞれが自分勝手に不満や意見をぶつけるカオスな会にならないような取りまとめが行われた。

園長との会合当日は平日午後4時から開始となるため、妻から私にバトンタッチ、その1の冒頭の通り、自分が出席することとなる。

つづく

※写真はイメージです。

マニュアル車の運転で大ピンチ 前編

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ヨーロッパはなぜかマニュアル(MT)車が多い。オートマ(AT)の方が楽に決まってるのに。

ロンドンは道も狭く、道路工事も多く、したがって渋滞も多くてイライラする。ストップ&ゴーもしょっちゅうである。しかもラウンドアバウトは交差点ほど停止がすくないことが売りなのだが、意外と混んでいる場所では入り口で一旦停止になることも多い。

MT車がが多い理由としてよくヨーロッパは高速が多いからとか、街が小さいから渋滞しないとか一般的に言われてはいるが、どんなに理由をつけてもATのほうが片手で飲み食いできたり、カーナビを操作できたりメリットばかりだ。

近所に路駐されている車の運転席を覗いてみる。約半分がMT車だ。BMW M4やロードスターなどスポーツ系は勿論MTだが、10年落ちの車や、セアト・シュコダなど安い車はMT、一方BMW3以上・アウディA4以上、メルセデス・レンジローバーあたりはほぼAT

まあ、金があればATにするということなんだろうと思う。

ところで、先日スコットランドのエジンバラで開かれるマーチングの祭典、ミリタリータトゥを観に行った。

military_tatoo

これはこれでブログが書けるくらい良いものだったのだが、もちろんそれだけでは勿体ないので、1日レンタカーでのドライブの日を設けた。向かうはエジンバラから東に1時間半。Loch Lamond & The Trossachs 国立公園。

map_scotland

というわけで、朝一人エジンバラ駅のレンタカー屋に車をピックアップ市に行ったのだが、なんとまあ、妻が予約していたのはMT車。ジープ・レネゲード。

jeep_renegade

めちゃくちゃ緊張が走る。「運転できるのだろうか??」

AT車が在庫にあるか聞いてみたが、出払ってないとのこと、もう決心するしか無い。

とりあえず涼しい顔でお店のお姉さんから鍵を借り、イグニションキーをひねる。

思い返せば、最後にMT車を運転したのは20年近く前、大学のサークルの合宿で乗った友人のR32型スカイラインではなかったか。坂道発進を失敗して後ろにググっと下がったのを何となく覚えている。

半クラで発進!!と思いきや「プスン、ガツン」エンスト。。。お約束。

気を取り直してスリスリ発進。おっと完璧!とおもいきやまたエンスト。これを繰り返すこと数回。

しかし、これは序の口、試練がいきなり訪れる。

エディンバラ駅のレンタカー屋は公共駐車場の地下二階に位置しているのだ。出口に向かうスロープの前でエンストしてしまい、坂道発進の必要性に迫られた。

ウォンウォンうなるエンジンと、一向に進まない車。スロープの入り口で四苦八苦する自分。

見かねたレンタカー屋のメカニックさんが来てくれた。
なんのことはない、ギアがきちんと1速に入りきっていなかったのだ。

そして地上に出る。ここはどこだ?

まず最初のミッションはこの車で家族の待っているエジンバラ城近くの宿まで戻らなくてはならない。

edinburgh

冷や汗も止まらない中、追い打ちをかけるようにトラブルがやってきた。オプションで頼んだ外付けのカーナビを取り付けると、なんとドイツ語。英語に戻す方法がわからない。かといって現在の坂道スキルではもう一度地下二階までまた降りて戻れる気がしない。

なんとか想像力を働かせてドイツ語のカーナビを操作、目的地セットをすることができた。

map_edinburgh

ここから宿までたった1キロ先なのだが、現在地のエディンバラ・ウェーバリー駅は谷底に位置し、目指す先は山の上の旧市街のど真ん中。狭い石畳の坂道を走るという難易度S級のミッション。嗚呼、めまいがしそうだ。

つづく。

ママ達の乱(パパも少々含む)その1

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午後4時、4−5歳児生徒が園庭に出たところを利用して教室内で会合が開かれた。

ナーサリー園長のサンドラとアドミのシャロン、それを取り囲むように我らが2−3歳児クラスの父母が12人ほど集結。アメリカ人、スペイン人、フランス人、香港人、イギリス人、そして自分(日本人)、多彩な国籍のパパ・ママたち。

時間が微妙に早いので全員が集まれたわけではない。我が家も妻の都合がつかないので、自分が早めに仕事を切り上げ、出席した。

固いメールがやり取りされた後の初めての会合。少々ぎこちない雰囲気の元、ナーサリー側と父母側が対峙する。ちょっとドキドキしてきた。

事の発端はこうだ。

6月より1歳児クラスから2−3歳児クラスへのクラス替えが一部の園児に対して行われた。うちの娘もその中の一人。

2月の終わりから6月頭までの過ごした1歳児クラスでは、不安一杯で入園したのも過去の話、部屋も清潔、園児一人ひとりへのケアもよく行き届き、先生の愛情を受け、うちの娘も楽しんでナーサリーへ登園するようになった。

ただし、新しいクラスは??となることが多々あった。何しろカオス。前のクラスと比べ部屋が汚いし、ケアする園児の数が増えた一方、先生一人あたりのケアする人数が増え(法律上許される)、謎のキズをつくって帰ってきたり、園児同士のトラブルで怪我を報告されることも増えた。

そういったわけで、なんだかサービスの質が落ちたような気が我々夫婦の間でも気になっていた。ただ、子供本人は相変わらずナーサリー生活を楽しんでいるようだし、比較対象がない中で(日本と比べてはいけない、あれは素晴らしすぎる。)、こんなものかな?と思っていたのも事実だった。

一方で、最近妻が同じクラスのルーマニア人のお母さんから、同じクラスのママで構成されるWhatsAppのグループチャットに誘われ、入った。

すると始めはお茶しましょう的な牧歌的な情報交換だったようなのだが、一人現クラスのサービスの悪さに不満を唱えた人が出たらしく、そこからお母さん全員一致で現在のクラスのマネージメントに不満が爆発したのだ。要するに我々の考えていた疑問はみな共通でもっていたのだ。

なんだかチャットがすごい盛り上がりを見せてきたのだ。不満が出るわ出るわ。そもそも、クラスのリーダー格の先生が機能していない(産休明けで金曜の9時~16時しか出勤していない)とか、息子がクラスが上がってから凶暴化して、人に噛みつくようになったとか、次から次へとテンポラリーの先生が来て対応するので誰が誰だかわからないとか。4,5歳児のクラスと混ぜて遊ばせているので危ないとか。

一人日系人のお母さんが急進的で、自分がモンスターペアレントと見られてもいいから前に出ると、園長先生に対し、クラス代表として問題点の提起および集団での公開質問会の開催を申し入れた。この現状を園としてわかっているのかと。

さて、そんなわけで、ママ達も一つの方向にまとまってきた。園長との会合までに皆で何をどう準備をしようか。話題の方向性が変わってきた。

続く

集団食中毒

poisoning

一家で食中毒事件が発生。いやー、恐ろしかった。

日曜の朝、起きてからずっと胃の調子がすぐれない、コーヒーを飲み過ぎたのようなシクシクとした痛みが少々あった。そんな朝だった。

にも関わらず気分をすっきりしたい思いでコーヒーを飲み、朝食のために脂っこいソーセージをフライパンで焼いて食べた。妻と娘にも食べさせた。義理の両親は既に朝食を済ませていたので食べることはなかった。

これが後で悲劇を生むことになるとは思いもよらなかった。

その後妻と義母はコロンビアフラワーマーケットにショッピング、自分と娘と義父はお留守番。

午前中は子供の遊び相手をして過ごすものの、胃が重くて身体をうごかすのも億劫。自分は一歩も動かず子供におもちゃを持ってこさせて遊ぶ。しかもなんだか外の空気が寒く感じる、気温20度以上あるのに。窓を閉める。

昼は義父の作るスパゲティ・ボンゴレと白ワインをいただく。

まもなく体に更に異変が、き、気持ちが悪い。。。身体が動かない。。

吐き気は若干するものの、吐くまで至らない状態。

体温計は平熱を示しているが、寒気が止まらない。体の関節がキシキシしている。どう見ても熱の前兆だ。

どうにもならないので娘を昼寝させるのに合わせて自分も寝込む。

間もなく出掛けていた妻も昼も食べずに帰宅、同じように気持ちが悪くなったようだ。熱も37.9度あってそのまま寝込んでしまった。

一方娘は元気そのもの。但し午前2回のウンチは普通だったのだが、3回めからは下痢になってしまった。それでも、いつもどおり元気なのでなかなか寝付かず、我々病人二人が寝る布団の上に遊んで乗りかかってくる。

その度に「うえ~」という悲鳴が私か妻から上がる。

寝床に臥し、ふらふらの頭で原因を考える。我々だけ体調を崩して義理の両親は無事。。。ソーセージ以外に考えられない。英国のソーセージは直径3センチ位の太さがあり、中身は生なのだ。かなり念入りに焼いたのだが、それでも火が通ってなかったのだと思う。

sausages

では何故娘は無事なのか?

それは、焼き方に差があったのだ。ただでさえ大きなソーセージ、子供の分は1/4本程度をフライパンで切って細かくして、多少内側を焼いたのだ。だから、中心部も火を多少通すことが出来たのだと思う。

一眠りして、胃のムカムカが最高潮に達する。とうとうトイレで吐き出すことを決心。

「オエ~」

ふう。膨満感はなくなり、多少これで動くことは出来るようになった。しかし胃のムカムカと身体をくの字にまげたくなる重さは依然続いている。

妻は38.6度に熱が上がり、完全ダウン。

自分が娘の夕食を作らねば。

義母がつくってくれたおかゆと冷蔵庫にあるシュウマイをレンジでチン、そして味噌汁はインスタント。とてもじゃないが作れない。食事の匂いだけでも「ウッ」と来る。子供に食べさせつつ、自分はテーブルに突っ伏す。

「パパの、ないねー」と2歳半の娘。

「うん、パパ、おなかいたいの。食べられないの。。。」

その後も妻の体調が戻らない上、更には義母も体調が悪く寝込んでしまう展開となり、ついに休日診療の門を叩くことに。19時頃病院に電話をかけ、アポを取る。

自分は子供のお風呂と寝付かせをしなければならないので留守番。まあ妻と同じ症状なので一人見てもらえればその結果を聞けばいい。

義父が運転する車で妻と義母が病院に送られていく。自分は次なるタスクが始まる。娘のお風呂だ。

お風呂と言ってもシャワーだけなのだが、腹痛と闘いながらの服の脱着、タオルでのふき取りも全部自分一人でやるのは辛い。裸で逃げまわる娘をなんとか捕まえ、出ない力を振り絞って着替えさせる。

そして子供を寝付かせるのだが、いつものごとく本を読んでくれとせがまれる。何故か「サンタクロースとれいちゃん」、「ふたつのいちご」、「ズボンのクリスマス」という3部作をグルグル繰り返し読ませられて、もはや拷問。

自分の体温も38.2度になっている。はやく帰ってきてくれー。

妻たちを送り出して1時間半、やっと帰ってきた。

診断結果はやはり食あたりによる胃腸炎のようだった。妻に処方された薬を分けてもらい飲んで寝た。

痛みは翌朝には治っていたが、体の節々の痛みと頭のくらくらが少々残った。

翌朝、ソーセージを見るのも嫌だったが、パッケージを見ると賞味期限が820日、そして我々が買ったのが20日、食べたの21日。ひどい話だ。期限ギリギリのものを定価で平気に売って罪もない消費者を陥れるとは。

正直怖くて暫くてイギリスソーセージはたべられない。まあそれほど美味いものでもないから無くても困らないし。