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妻の出張・子の脱臼 その1

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ロンドンにやって来てもうすぐ1年が経とうとし、妻の仕事も軌道に乗り始めたようで、ドイツ、イタリアなど海外出張が多くなってきた。大いに結構な話。

ただ、その間は当然自分はロンドンで子供と2人の生活が続く。

一泊二日の出張ならまあ大した負担にならない。妻が会食や飲み会で遅くなるパターンとそれほど変わらないからだ。

そして自分も気楽でいい。夕食を作るというプレッシャーから解放されるからだ。

自分だけだったら、娘の食事は簡単にスーパーのミートボールを叩いて延ばしてミニハンバークを作ればいいし、自分は冷蔵庫宇野残り物か辛ラーメンを食べて食事をそうそうに済ませ、チーズをツマミにワインかエールをやる、これで十分。

娘も大分状況がわかり始めていて、母親のいない日があっても文句一つ言わずに父との夕食・シャワー・就寝をやってくれるようになった。

しかし、二泊以上になると結構大変である。帰りのフライトが夜になると、更に+1泊分の負担がかかってくるからだ。

子供も2日目以降になると夜泣きをしたり、夜中に目が醒めたときに母親がいないと不機嫌に鳴ったりする。やはりストレスはあるのだろう。

そして今回はいろいろ大変だった。

妻は23日のイタリア出張。帰りの日は帰宅が夜遅くになるので、父娘は33日の留守番生活だった。

1日目を無難にやり過ごし、2日目のことだった。

娘を夕方迎えに行き、アパートの入口まで来たところ、いつものやり取りが始まった。

「パパー、抱っこ!」

階段を登りたくないのだ。うちのアパートにはエレベーターは無い。

勿論、お父さんとしてはここは厳しく「ダメ!」である。

もううちの娘も2歳半を過ぎた。自分で階段を登れるし、登らなきゃいけない分別もついてきている。

「うえーーーん」駄々をこねる娘に再度、

「ダメ!甘えても!階段登ろう、おててつないで。」

娘は最後の抵抗、階段の手前で床にゴロン。ワーワー叫んで。動かない。

そして事は起こった。

両手を掴んでぐいと引っ張って起き上がらせようとしたところ、娘の右手の手首がポキと鳴って、そのあと突然激しく泣き始めた。

「うぎゃーーー」

尋常じゃない鳴き声に焦った自分、とりあえず抱えて家に帰り、湿布を張って様子を観ることにした。

泣き止んだ娘、夕食時も右手はだらんと下におろしたまま。左手でなんとか食べようとするが、ポロポロこぼれて食べられない。

「パパ、食べられないからたべさせて」とせがむ娘。

右手は腫れがあったり、変色が会ったりしているわけではないのだが、ちょっとでも動かそうものならすごく痛がる。

本当に申し訳ない気持で一杯だ。

さすがに明日までによくならなければ朝一で医者に行かなくては。。。

つづく

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