図らずも、歴史的瞬間に英国にいてしまったわけだが、まあ驚いた。
先週から雨がちで、昨日の土砂降りからうって変わって青空が広がるロンドン。皮肉にもEC残留是非の国民投票が終わり、目下の問題も行方がクリアになった。
イギリス人の友人も「こんなアホな結果になるなんて。。UKは終わった」と落胆の色は隠せない。これに引き続いて起こりうるスコットランドの独立も「まあそうなるでしょ、全然違う国だし」ともはや淡々である。
これから欧州連合リスボン条約50条をに基づき、英国政府はECへ脱退を申し入れ、実際脱退するまでのプロセスが2年はかかると言われている。勿論脱退を申し入れてしまったら後戻りは全加盟国の同意が無いと無理なようだが、とはいえそれまでに国民の頭が冷めて違った展開を見せるのではないかという楽観的な見方をする英国人もいる。
ロンドン以外のイングランドはほぼ全部脱退が優勢だったことも考えると、この国のあり方が相当歪んでいたんだろうなと思う。金融関係者が億単位の年収をもらってポルシェを乗り回し、普通の会社の平社員で年収3〜400万円、管理職でも年収5〜600万円程度の暮らしぶりしか出来ないこの国。地方や貧しい人にとってはEC脱退によって失うものすらあまりないのだろう。