主夫とは孤独な職業なり

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海外にいて最も不足するもの、日本食を除けばそれは生活する上での様々な情報である。どこで何が売っているから始まり、どこで子供を遊ばせればよいか、休日はどこに行くべきかなど枚挙に暇がない。特に困るのが子供の育児・教育に関わる事、何を読ませたり、勉強させたり、さらにはどこのナーサリーに入れさせるのが良いかなどなど。海外の情報はネット検索では限りがあるし、子供のことだけに知っておきたいことはたくさんある。

駐在妻どうしであれば、こういった情報は女性同士のつながりに入ることで比較的容易に手に入れることが出来る(これはこれでサル山よろしく上下関係やしがらみがあって大変らしいが・・・)。

女性はコミュニケーション能力、ネットワーク構築能力が基本男性より優れているので、すぐに見知らぬ土地での助け合いの輪ができるのだ。実際、自分が渡英して1ヶ月ほど経った時、一人の日本人ママと知り合い、自分が主夫であることを説明すると、すでに他のママ友から最近主夫で近所に越して来た人がいるらしいと聞いてました。といわれたのにはビックリした。それまで2,3人しか日本人に出会っていなかったのに、である。

ただしこれは女性の中での話なので、ここに男性が加わることはかなり不自然だ。今のところ十数人日本人ママと子供の知育施設(Gymboree)で出会っているが、挨拶以上に発展した試しが殆ど無い。会話はこの5種類しかない。

  1. 初めまして!(お早うございます:2回目以降)
  2. お子さんお幾つですか?
  3. お子さんのお名前は?(翌週にはすっかり忘れて、「お子さん」に戻る)
  4. この辺におすまいですか?
  5. お先に失礼します!(お疲れ様でした:見送る場合)

それと、子供同士がいさかいを起こしたりすると「ごめんなさい!」と言うくらいか。とにかく表面的なストロークが毎週続くだけ。

恐らく、女性同士だと、美容院はどこいっているとか、子供に何食べさせているとか、その子供服かわいいですね?どこでかったんですか?とか、いろいろ接点を作り、LINEアカウントを交換し、その後お茶かランチでも?みたいな流れになるのかもしれない。だが主夫が駐妻のLINEを聞き出したり、駐妻を誘って茶を飲みに行くというのも、どんなもんだろうか。唐突に切り出せば気持ち悪いことこの上ないだろう。じゃあそこに至るまで女子トークで盛り上がるほどそっちのほうに引き出しはついてない。残念ながら。

さらに難易度が高いのは駐妻の集団。2人以上で固まっていると、そこには既に社会が出来上がっているオーラが満載で、うちの子がなにかしでかすなり、強制的なきっかけが無いとキビシイ。

これらの問題はなかなか突破口が無いのが現状。もう一人主夫がいたら簡単なんだけどな。。。

一方、日本人以外のママさんはどうか?ただ、話をするのは日本人よりも社交的かつ、アジア人の子供が珍しい部分もあるので「お子さんかわいいですね~」的な話しかけで会話が始まることがままある。集団でいることもない。お店情報など質問すると紙に書いてくれたり、外人である私に親切。ただ、それは外人に道を聞かれて答えているのと同じ。ママ友となると上記のジェンダーの壁がある上に、人種の壁もあるので更に難易度は上がる。

ホントなやましい。