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子連れボルドーの旅 その2

二日目 メドックをドライブ

この日はボルドー市の北部に位置するメドック地域のシャトー(ワイナリー)を巡りながらドライブ。その後、ボルドー市街のすぐ南、グラーブに位置するスパ・リゾートホテルへ向かう予定を組んだ。

ボルドーでのワイナリーツアーの方法は他に旅行会社の主催するツアーや、タクシーチャーターなどあるが、我が家は2歳半の子供が居るので状況に応じた旅程変更やチャイルドシートの確保といった点を重視し、レンタカーにした。

前回の旅で痛い目にあったので勿論レンタカーはAT車。フランスでコンパクトカークラスのAT車を見つけるのは難しいのだが、なんとか事前に確保できた。チャイルドシートを付けて1日€100位。やはりMTより£40高くつく。その分カーナビは節約のため付けず、iPhoneのgoogle mapsでなんとかすることにした。

今回のドライブルート

ボルドー・サン・ジャン駅で車を借り、ガロンヌ川河口の左側、通称「左岸」と呼ばれるメドック地域の村々を訪れる約3時間コース。途中ワイナリー見学を1軒入れているのと、昼食も含めると5時間くらいかかると見込んでいた。

いきなり大遅刻

折角入念な計画をしていたのに、早速大遅刻をやってしまった。そもそも、日曜日はフランスはレンタカー屋が10時開店というスロースタートに加え、朝寝坊かつレンタカーのカウンターでものすごく待たされてしまったために早くもピンチが訪れた。11時半に予約していたシャトー・ジスクールの見学に間に合わなそうなのだ。

その後も焦ってハンドルを握れば焦るほど蟻地獄のようにピンチは続いていった。見知らぬ土地ということと、慣れないgoogle mapsの指示に戸惑い、ラウンドアバウトの出口を間違え住宅地に迷い込んだり。高速道路の出口を間違えてなぜかIKEAの駐車場に突入したりして大パニック、シャトーに到着したのは結局40分遅刻の1210分、もう初っ端から全然だめである。

終わった・・・と呆然としながら入り口に近寄るとスタッフの方が気配を察知して出てきてくれた。残念ながらあと5分でツアーが終わるよ。テイスティングが始まるけれど、どうする?と聞かれ、暫く悩んだ末、2時からの回にリスケが可能ということで、その時間に出直すことに決めた。これによって、ドライブの予定は大幅に狂ってしまうが、仕方ない。

とりあえず行けるところまで車を走らせ、そのかわり昼飯は抜きという強行スケジュールに変更である。

ドライブ再開、シャトー・マルゴーへ

まず最初に訪れたのは、同じマルゴーにある、かの超高級ワインを産する、シャトー・マルゴー

メドック各付1級シャトー(5大シャトー)の一つ。同じマルゴー地域といえど、シャトー・ジスクールからは結構離れている。駐車場の入り口の黄色い塀が青空によく映える。

アポは取っていないので外からシャトーを眺めるだけ。

一本5万円のワイン、いつか飲める機会が訪れるだろうか。

メドック各付とは

およそ1,500のシャトー(ワイナリー)がメドック地域にあると言われるが、1級から5級の格付けをされるものは僅か61しか無く、その中で第1級に格付けされるものはたった5つ(5つのうち1つは例外的に別地域に存在するので、実質メドックには4つ)。これらはビンテージにもよるが一本数万〜数十万の高値で取引されている。詳しく知りたい方は下記リンクを参照。
【一覧】メドック地区の格付けシャトー(ラベル入り)・ワインノート

マルゴーからサンジュリアン・ベイシュヴェルへ

マルゴーからさらに北上し、サンジュリアン・ベイシュヴェル村へ向け暫く車を走らせる。この区間は各付シャトーは無く、のどかな農村とブドウ畑が続いている地域。

サンジュリアン・ベイシュヴェルに入り、早速右手に見えるのは日本でもよく見かける船のエチケットのシャトー・ベイシュヴェルの畑。それをぬけた先には記念写真をとれと言わんばかりのワインの像が道端にそびえ立っていた。

天の声に従い、もちろん記念写真。

ワインの像を抜けた先は、2級シャトーが道路際に次々と現れるゾーン。

正直こちらのレオヴィル3兄弟については、車道からのシャトーの見た目があまりぱっとしないので、写真も取らず通過。

そしてポイヤック、その後引き返し

そしてついにサンジュリアンとポーイヤックとの村境に到達。


ポイヤック村に入るとすぐに見えるのはシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの美しいシャトー。

その斜め向かいにはシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンの堂々たる姿が。まさにシャトーといった風格。

この2つのシャトーのワインはは日本の実家のセラーで保管しているので、おおっこれか!と感動もひとしお。
いつか抜栓するときにはこの景色を思い出すのだろう。

そして道から奥まったところ、ぶどう畑の向こうにに5大シャトーの一つ、シャトー・ラトゥール

ラトゥールたる所以、「鳩小屋」と呼ばれる塔が見える。。。はずなのだがこの写真では辛い。中央建物の左端に見えるのが判るだろうか。

そしてここで時間切れ。ジスクールからここまで40分位かかった。14時のジスクールの見学に10分程度余裕を持って戻るにはここで折り返したほうが良さそうだ。

この先にはポイヤックの村の中心があり、その先には5大シャトーの2つ、シャトー・ラフィット・ロートシルトシャトー・ムートン・ロートシルトがある。さらに進むとサンテステフ村。ハートのエチケットで有名なシャトー・カロン・セギュールがある、そこまで本当は行くつもりだっただけれど、本当に残念。

シャトー・ジスクール見学

結局昼飯の時間も惜しみ、何も口にせずひたすらポイヤックまでのドライブをした我々一家、とんぼ返りしてシャトー・ジスクールの見学(€12/人)に。空きっ腹にワインが染みそうだ。我々以外の見学者はイギリス、中国、テキサスから来た方々、総勢10名。

日曜日だったので、醸造所は稼働はしていなかったが、畑を周り、醸造タンク、樽を貯蔵する地下室など一通りの説明を受けた。

何と言ってもお楽しみは最後に試飲タイム。ファーストのシャトー・ジスクール、セカンドのシャトー・シレーヌ・ド・ジスクール、サードで、漫画「神の雫」にも登場したというル・オー・メドック・ド・ジスクールの3つを飲み比べ。

やはり値段が高いだけあってフラッグシップのシャトー・ジスクールが一番果実味も凝縮して美味い。ただし、抜栓直後の為か、酸味が前面に強め感じ、味も深みが足りなかった気がする、セカンドは香り・コク共に若干薄く、水っぽさがある。サードは正直テーブルワイン、前者2つとは別の生産者のワインではないかと思えるほどクオリティに差があった。おそらく本当のテーブルワインと比べたら十分美味しいのだろうが、今回比べる相手が悪すぎた。シャトー・ジスクールはもう少し時間をおいて飲んで見たかったので、おみやげにガイドさん一押しの2006年ビンテージを購入した。

敷地内には沢山のクリが落ちており、子供が拾って遊んでいた。大きく、つややかなクリなのでとても美味しそう。有名シャトーのクリなんてすごく響きがいいので、記念に数粒持って帰らせていただいた。

しかし家で茹でてみたらものすごく苦い。重曹をいれて煮たぐらいでは対処できないほどの渋みがあり、全く食用に向かないようだ。誰も拾わないのはそういうことだったのか。

そして5つ星ホテルへ

大急ぎでメドックドライブを済ませたあと、レンタカーを返し、そこからUBERでメドックと並ぶ銘醸地グラーヴ地域にあるホテルへ急いで向かう。今回の旅のメインとも言える、ワイナリーの中に佇む5つ星ホテル、レ・スース・ド・コーダリーだ。1分でもホテルで過ごす時間を増やしたかったのだ。

そして実際、期待を全く裏切らない完璧なホテルだった。立地環境、建物、敷地、サービス、夢のように素晴らしい場所だった。

つづく

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