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イギリス発フィヨルドクルーズの旅 その4

5日目 Wed.  7/20

ガイランゲル(ガイランゲル・フィヨルド)着

この日はここまでの旅一番の天気、スカッと晴れた青空にジリジリと照りつける太陽が痛い。

今日は親子3人で丸一日、’The Roof of Norway’と題するバスツアーに出掛ける。本ツアーは、海辺のガイランゲルの街から一気にそそり立つ山を登り、標高1,500mのダルスニッバ(Mount Dalsnibba)展望台に向かうというもの。ユネスコの自然世界遺産であるガイランゲルフィヨルドの上から下まで余すところ無く楽しめる内容になっている。

そもそもガイランゲル自体がオスロから電車・バスではとても行きづらい秘境なので、クルーズ船で朝起きたら到着、というのは本当に便利である。

バスは谷間の山道をぐんぐん登り、ガイランゲルの街と停泊するクルーズ船が小さく見下ろせるようになる。まるでおもちゃのようだ。あまりの美しさにこのビューだけでも来た甲斐があると思える。

谷の反対側を見ると、遠くに雪山が。これからあの雪山の山頂を目指すのだ。

どんどん高度を上げていくと、1,000mも登らないうちに景色が2,000-3,000m級の高山の様になっていく。北極圏に近いだけに、植生の移り変わりが早い。

とうとう岩と雪の世界になってしまった。

そして標高1,000mにある美しいデュプバトン湖(Djupvatn Lake)が見えてくる。

そして湖を見下ろすように一気に山頂へバスは登っていく。雪解け水で出来た湖、神秘的な色をしている。後ほど下のドライブインで昼食を取ることになるだが、トラブル大発生。詳細は後述する。

標高1,500mのダルスニッバ山頂に到着。はるか遠くまで雪山が続く。

やって来た方角を望む。遠くにガイランゲルの港が見えるのが判るだろうか。

そして生まれて初めての雪に娘も大興奮!!

問題発生!

バスの中は狭く子供には少々つらい旅ではあったが、ここまでは家族全員順調に旅をこなしてきた。ところがお昼を食べようとバスが湖のロッジに戻る途中で問題が。

娘が鼻血を出したのだ。鼻血自体は珍しくはなく、指を鼻に突っ込んで時々出したりしている。従って最初はすぐ止血すると思ったのだが、これが標高が高いからなのか、これがなかなか止まらない。そうこうしている内に、バスは停車し、皆食堂に入り始めてしまった。

食事の席はツアー客同士で相席になるのだが、我々家族は鼻血であたふたしている間に食堂への入場がビリになって、相席が夫婦でバラバラになってしまった。鼻血もとまっていないのに最悪である。鼻血の対処をしながら、自己紹介等相席客と社交をしつつ、子供にメシを食わせ、自分もメシを食うという状況はもうわけがわからない。何を食ったのかもよく覚えていない。

ブラックタイ・イブニング

船は午後6時に出港。静かにガイランゲルを離れていく。ノルウェーは緯度が高いため8時でもこの明るさ、11時半には日没するが、日が変わってもしばらく薄明るい。この日の夜はブラックタイ・イブニングと称し、基本的にドレスアップをしないとレストランやバーに入れない。子供を託児所に預け、ディナーの予約を待つ間バーで軽く一杯。キリッと冷えたジントニックで鼻血の一件でかいた大汗もクールダウン。

相席ディナー

今日は何かと相席が多い。夜は夫婦2人でレストランに入ると、丁度混み合っている時間もあって相席になってもよいかと訊かれた。あまり遅くなっても娘のピックアップに差し支えが出るため、OKの返事をする。すると、イギリス人の年配夫婦2組と円卓を囲むことになった。最初は結構緊張だったが、割りとリベラルな人たちで、日本に親近感をもっており、結構面白かった。BrexitについてもRemain派で、既に英国の医療・介護の世界は移民の労働力がなくては成り立たないのに、これからどうするのかと憤慨していた。船で出会ったお年寄りはロンドン以外の地方出身の金持ちが多く、外人に興味が薄く、Brexitには勿論Leave EUのスタンスのバリバリ保守みたいな人が見受けられたのでちょっと心配だったのだ。

夜も更け、船はガイランゲルフィヨルドを抜け三度北海に出る。明日はスカンジナビア半島を南下し、北海油田の基地、スタバンゲルだ。

つづく

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