コッツウォルズで車がパンク その2/2

これまでのあらすじ:
日本から遊びに来た両親を連れてコッツウォルズ地方へドライブの旅へ。最終日の朝、路肩に乗り上げた車の助手席側の前輪がパンク。ピンチに陥る。

road

スペアタイアはどこだ?
困った。家族と荷物を満載でパンク。しかも問題は民家があるとはいえ国立公園内のど田舎。観光では人里離れたのんびりした景色はウェルカムだが、一転、他人のヘルプが必要になるような状況に陥るとこの景色は地獄絵図に変わる。

と言っても最初は意外と冷静だった。なぜなら、スペアタイアをつければ近くの街のガソリンスタンドで交換できるのではと考えたからだ。

ところが、トランクの底を開いてみて衝撃が走る。

スペアタイアがついていない。この車。
スペアタイアがあるはずのくぼみには、スプレー式の修理剤ぽいものが付いているだけ。

車の中は幸い2歳の娘はすやすや寝ているが、母親はひどい風邪を引いており、寒さに震えている。

とりあえず車のリース会社に連絡、AAに連絡してヘルプを依頼せよとの指示をもらう。AAというのはAutomobile Associationの略、要はJAFみたいなもの。こちらを呼び出して1時間半後に到着するとのこと。

案の定イギリス、30分遅れると連絡が入り2時間待ちの羽目に。脇道への入口を塞ぐように車を停めてしまったので、その間脇道に入る車に迂回してもらうようひたすら謝りまくる。中にはこちらが困っているのを説明してるのにも関わらず、どけ!コラ!ばりにクラクションとパッシングと文句を言いまくる居丈高な野郎がいて本当に頭にくる。

そしてAA降臨!
電話をかけて2時間、ようやく救世主AAの黄色い車がやってきた。そして人の良さそうなおじさんが降りて来た。

AA

早速スペアタイアに交換してもらう。その後近くの(といっても10マイル先の)Eveshamという街のタイヤ屋さんに案内してもらい、事なきを得た。

changing-tire

しかし、昼飯も子供に食べさせることが出来ず、時間は既に午後1時を過ぎている。本来午後はさっさとロンドンに帰る予定だったので予定が完全に狂った。

しかしこの不吉な空気をどうにかしたく、気を取り直し、再びコッツウォルズへ戻り、最後にHidcote Manor Gardenという庭園へ。

hidcote-manor

綺麗な庭園もさることながら、庭園の外に広がる牧草地ではのどかに草を喰む羊が間近に見れた。彼らボケーっと見て今日の心のキズを癒やしたのだった。

sheep

そして、この翌週の旅でさらに不幸が訪れる。

つづく。

コッツウォルズで車がパンク その1/2

最近旅のアクシデントが多くてお祓いに行きたい気持ちになる。

4月中旬、日本より両親が遊びにきたこともあり、家族+両親の5人で英国コッツウォルズ地方に23日のドライブ旅行に出掛けた。

初日はバースへ。ローマ時代の浴場を見学。2000年前ローマ人がはるばるこんなところまで来て風呂を作るそのこだわり・情熱がすごい。半端無く風呂が好きだったのだろう。

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その後コッツウォルズ南部地方の美しい自然と鄙びた村を回る。

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2日目はコッツウォルズ北部へ移動。午前中は引続き美しい村々を訪れる。本当に癒される。

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午後は早めに宿泊先であるチャリングワース・マナーハウス・ホテルに向かい、アフタヌーンティーを愉しんだ。

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Charingworth Manor Hotel HPより

3日目は午前中は引き続きコッツウォルズ北部を旅し、Hidcote Manor Gardenという庭園を訪れた後、早めにロンドンに帰るはずだった。しかし事件は起きた。

チッピング・カムデンという町に訪れた時の事だった。

町外れを進んでいくと、美しい住宅街に景色が変わった。住宅街を走る狭いが車の往来もそこそこある上下2車線の道沿いに、ガイドブックで見た曲線が美しい茅葺き屋根の家が見えてきた。

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写真を撮るために母と妻をおろそうと、路肩に寄ったのだが、車は大人4人+子供1人+荷物満載の状態、ブレーキの利きが甘くそこそこスピードを出したまま路肩の段差を乗り上げてしまった。すると、ガツンとものすごい衝撃が左前車輪に走る。茂みに隠れて石段がよく見えなかったのだが、結構な段差があったようだ。あっ!と思いきや、ダッシュボードの警告灯が黄色く光る。なんとタイヤの空気圧低下信号が出てしまった。あれよあれよというまに左前のタイヤの空気圧が0となった

外に出てみると見るも無残なぺしゃんこのタイヤ。ああああ。。。。

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つづく。

マーマイト食べました

marmite

マーマイト。イギリスに造詣の深い方ならご存知の、イギリス人のソウルフード。イギリス人でも好き嫌いが分かれるというクセのある食べ物。

関係各方面から問い合わせを受け、ついに挑戦させていただきました。

この食品、ビール酵母、つまりビール工場で発酵させた時の絞りカスから作られている。

食べ方はというと、バターなどと一緒にトーストに塗って食べる朝の味らしい。

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開けてみると匂いは少ない、しいて言えばビール酵母の匂いがしないでもない、スプーンですくうと黒くて相当粘度の高い糊状のものがネットリ。

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救いは納豆のように、人によっては臭くて口にも入れることが出来ない食べ物とは違い、基本的に誰でも口には出来そうだ。バターと一緒にぬってかじってみた。

marmite-butter

うーーーわーーー塩辛い!とにかく塩辛い。塩だ。塩味90%の残り焦げ臭さと苦さがそれぞれ5%ずつ。他に形容のしようがない。塩辛くて舌がビリビリする。たっぷり塗るようなモノではない。

もしかしたらうまみやコクがあるのかもしれないが、それらよりはるか全面に押し出す塩味が毒々しい。これを食べ続けたらありがたきビール酵母の健康効果を打ち消して高血圧になること間違い無し。

重油のような漆黒の煌きを放つゲル体はもはや食材界のダース・ベイダー。塗ってしまったら最後、どんな素材もマーマイトの暗黒面に落ちてしまい、元の味など簡単に上書きされてしまう。

書いていてホントにダース・ベイダーが食べそうな気がしてきた。

この日はこれで終了。

その後、もったいないし、何しろ分かる人には分かる味という点が悔しいので何日か続けて食べてみた。塩味の無いバターやクリームチーズをパンに塗る際、少しマーマイトを垂らして塩味を足すといったような用途なら食べられなくもない、ただの塩味より少しホロ苦で美味しいかもしれない。

しかしながら、恐らく1年たっても開けた125gの瓶は空になることは無いだろうと思う。

ちなみに日本人にマーマイトを食べさせるというおもしろ動画はこちら。これはちょっと大げさな気がする。くさやを食べてるわけじゃないんだから。

ところで確実に余りそうな我が家のマーマイト、これを消費するにはどうしたらいいか考えてみた。塩辛くてペースト状なので、味噌的に使うことを想定するのがわかりやすい。

とすれば、カレーやシチューの隠し味に入れる、というのがまず頭に浮かぶ。これはググってみるとかなりメジャーな利用法らしい。まあ誰でも思いつく利用法だろう。

では味噌の他の使い方はないか、そう、漬物だ!

「マーマイト 漬物」で検索するとなんと、マーマイトとヨーグルトでなんちゃってぬか漬けが出来るらしい。これは驚きだが、真似する気にならない。まだそこまでしてぬか漬けを食べたくなるほど海外生活長くないし。。

むしろ自分が考えたのは魚や豚肉の味噌漬け的なものができるのではという仮説。これはググッても出てこないので、是非一度試してみたいと思う。美味しかったら塩こうじならぬ黒こうじ漬として日本に売り込んでやろう。

主夫のおすすめグッズ: マキシコシ・プリオリ チャイルドシート

ヨーロッパのベビーカーは日本製と比べて大きくて重くて取り回しが良くないものが多い一方、ベビーシート/チャイルドシートについては良い物が多いように感じる。特にヨーロッパ大陸の国々は車で国境を越えて長時間移動する機会も多いだろうから子供の快適性・安全性の確保については相当研究が進んでいるだろうし、何より車内のスペースの制約は日本もヨーロッパも同じ、従ってコンパクトかつ実用性の高いものを作っていると思う。

買ってよかったなと思った一品がこちら。マキシコシ・プリオリ。個人的な経験として国内でレンタルしたベビーシートはシートの装着方法が難しく、イライラするし、きちんと固定できたのか不安に思うものもあったのだが、こちらの製品はものの30秒で脱着できる。したがって掃除やカバーの洗濯も気軽にできるのがポイント。

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出典:www.halfords.com

肝心のシートはシート側面も深く側面からの衝撃にも対応、きちんと子供の身体をホールドしてくれ、うちの娘は快適な様子、ぐずらない。なお4段階にリクライニングできるので眠るとき、起きている時で角度を替えて心地よさを維持することが出来る。

欠点は日本では手に入りにくいことか。amazonで売っているようだが値段も外国製ゆえそれなりに高くなってしまう。イギリスであれば100ポンド=16,000円くらいなのに、日本では3万円以上になるようだ。もし中古で1−2万円台があったら速攻手に入れるべきアイテムだと思う。

貴方はゴムを付ける派?付けない派?

latex私は付けない。いちいち装着するのが面倒くさいからだ。しかもゴムをつけるとヌメリの感触もよくわからない。

とは言っても食器を洗う時のゴム手袋の話。

日本にいる時は食器は素手の手洗いでほぼ行っていた。料理の合間に使った調理容疑や皿をどんどん洗っていくと時間の節約になるし、何よりキッチンが片付いて気持ちいいからだ。

しかしながらこちらで同じように食器をあらうと指の脂が取れてガッサガサになる。特に指の側面から上(爪側)に向けて荒れまくる。

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指ガッサガサの図

主夫業を始めると圧倒的に水仕事が増える中、自動食洗機を使いこなせていなかった一時期は、ハンドクリームを塗っても追いつかず、指がヒリヒリ傷すぎて、サラダ油を手に塗り、その上からゴム手袋をして痛みをこらえて水仕事をした時もあった。

手荒れの理由は恐らく3つある。一つは水の問題。石灰分を多量に含む硬水であるため、洗剤が泡立たない。泡立たないから気がつかないうちに沢山洗剤を使っている。その結果、手が荒れてしまう。

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硬水ゆえ石灰の水垢(limescale)が1,2週間でついてしまう

もう一つは、洗剤の問題。安いからといってスーパーのPB商品を使うと、皿の油は取れず指の脂ばかり取れてしまう。こちらの製品は安かろう悪かろうが本当に如実に出る。

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安物は泡立ちも洗浄力も大幅に落ちる傾向が

洗剤の問題は、P&GFAIRYというブランドの洗剤を使うことで解決。さすが一流ブランド品は違う、日本の洗剤と変わらぬ感覚で油汚れが落ちる。

fairy

3つ目は湿度の問題。こちらはセントラルヒーティングで常に窓際の温水ヒーターが稼働しているため、外は雨が多いにもかかわらず室内は相当カサついている。

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常に乾燥気味でニコニコマークになってくれない

現在相変わらずゴム手袋はしていないが、食器は9割方食器洗浄機で洗っている上、ちょっとした洗い物に関してはFAIRYのお陰でひどい手荒れは解消している。