ママ達の乱(パパも少々含む)その3

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前回からの続き

ナーサリーのサービスクオリティにママ・パパの不安/不満が爆発。窮状を訴えようとナーサリー園長のサンドラを前に2−3歳児クラスの父母が12人ほど集結。我が家は妻の都合がつかないので、自分が早めに仕事を切り上げ、出席。若干緊張が走る重い雰囲気の中、早速がら空きの教室にサークル状に席を並べ、着席する。

園長も今回の会合のアジェンダを作成済みで、早速紙を配り始める。丁寧な準備というか、何となく受けて立つといった感じ。大まかな構成は1. ディスカッション、2. これまでの親からのフィードバックを受けた今後の園としての対応、といったところ。

議論の口着を切ったのは、昨日の事前ミーティングを仕切ったスペイン人のパパ。まずは今回の会合を開いてくれた旨、および子供達の面倒をみてもらって大変感謝している旨をお礼として伝え、決してクレームではなく、建設的に話がしたいという口上を述べた。

その後、事前の打ち合わせ通り、ママたちが次に続く。要望や提案などを交えながら、クラスのリーダシップの欠如、起因する部屋の整頓や子供のケアの不足、園からのコミュニケーションが不足していることなどを述べていった。

これらの内容は既にメールや個別の相談でサンドラは把握済みであるため、皆からの話を一旦聞いた後、サンドラは畳み掛けるように回答をし始めた。

  • 部屋のカオス状態について
    •  部屋のレイアウト上、当該クラスの教室が他の年次のクラスの通り道にもなっていることが一部原因。朝9時以降は他クラス生徒、父母の通行を禁止し、裏口から入ってもらうようにする。
  • クラスのリーダーシップ不在については
    • クラスの保育士リーダーのサマンサは産休復帰直後で、2週間後にフルタイムに復帰する。
    • サマンサはこのナーサリーでももっともベテランで有能であり、我々父母が考えている部屋の整頓や子供のケアの改善は問題なくなるだろう。
  • 今後の改善点についてのフォローアップ
    • サマンサがフルタイムで復帰し6週間後に個別のミーティングを父母と行う。

終始園長のサンドラはにこやかに話しているが、スタンスとしてはあなた方は素人、子育てに不安はあるのも判るが、私の言うとおりにしなさいという毅然としたというか、頑固なところが見え隠れしている。何か提案があっても圧倒的な経験の差であれはこうだから、それはわかるけど結局こうなっちゃうから、みたいな形で撃破されてしまう。

  • スタッフの顔が見えない、誰だかわからないという点については、
    • 各教室の入り口にスタッフの写真が貼られている。ナーサリーは全てオープンなので自ら見に来て欲しい。
  • ナーサリーが父母会を開催してもいいのではないか
    • これは過去やったことがあるが、結局皆忙しい為、人が集まらなくなる。

など、結局、サンドラのペースで話が進んでいく。

そして最後に今回集団的行動の発端となった、WhatsAppでの親たちの交流についてクギを刺してきた。WhatsAppのママチャットについては、ネガティブな不満をぶちまける場所にならないよう、念を押してきた。不満があれば、個別に私のところに相談しに来てほしい。いつでもオープンドアにしておくからと。

SNSネガティブなことを親同士で情報を交換しても良い方向に行かないし、万が一園に対する誹謗中傷をfacebookなどにポストしたりすることは、法的措置をとることにつながる可能性もあるとまで言ってきた。

会合が終わった後もパパママたちは今後の改善がどうこうよりも、サンドラの対応のWhatsAppの話で持ちきりになってしまった。

「SNSになんであんなに目の色変えて高圧的になるんだろうね。過去に親たちとトラブルがあったのかな?ちょっとやな感じだよね。」

ともあれ、この後集団でどうこうするという話は一旦終了し、我々としては状況の改善を見守っていくことと、個々人の問題は個別にサンドラに相談することで収束していった。後者については、親たちは個別にサンドラとより個別イシューなどについて話す機会を設けてもらうことになった。

それから数日後、サンドラからフォローアップメールが来た。あれこれかいてあるのだが、やっぱりSNS、というか集団行動を相当嫌っている一文が。

Referring to your ’Whatsapp’ group that you’ve tagged on to your mail; as long as this remains a positive group to “arrange local meet ups for the kids and for the parents too”, it is fine, however should it be used for negative purposes and become a means for slander, mobbing or defamation, then this type of communication and behaviour would be totally unacceptable, as i am sure you would agree, and action would have to be taken to stop it.

メール内で引用されていたWhats appグループについては、子供達や親たちが集まって交流を深めるためのポジティブなものなら良いのですが、もしそれがネガティブな目的、例えば園の悪口を叩いたり、集団的暴挙を図ったり、誹謗中傷につながる事に利用するのであれば、コミュニケーション方法としては全く受け入れる事ができません。私の考えに賛同してもらえると思ってますが、こうした行動にならないようにしなくてはなりません。

なんじゃ?すごいinsultingな表現だ。父母に向かってslanderとかmobbingとか使うのか?

たとえ、集団でモンスターペアレンツ化されないように親たちを個別に分断しようとしても、こんな書き方で皆に送ったら藪蛇ではないのか?

この一連の出来事における最終ラウンドは3週間後、私と妻、園長との個別ミーティングへとつながっていく。

つづく

ロードバイク買ったった

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以前、日本から持ってきたクロスバイクが盗難に遭った話を当ブログでしたが (チャリンコ盗まれてヘイトクライム)、保険金も無事還ってきたので、そこからさらに奮発して人生初のロードバイクデビューを果たしてしまった。

購入したのはGiantDefy Advanced 3。近所のカムデンタウンのGiantディーラーで、2016年モデルのセールをやっており、メーカ価格1,148ポンドが919ポンドに値下げされていたので1週間ほど悩んだ挙句、購入を決定してしまった。

そもそもこの自転車、日本のサイトで確認すると19万円(税抜)で、税込2052百円となるのが、今回なんと約123千円。定価の1,148ポンドだったとしても圧倒的な内外価格差があり、超お買い得。ロードバイクデビューをするにはうってつけだった。

このDefy Advanced 3, フレームはフルカーボンでディスクブレーキを装備。コンポーネントはShimanoTiagraというちょっと低めのグレードだが、そこは仕方ない。それよりもとにかく今回重要視したのはディスクブレーキ。なぜなら時速40キロくらい簡単にでてしまうロードバイクだけに、ブレーキの安心感こそが楽しいサイクリングに重要と考えているから。

実は以前のクロスバイクは所謂普通のタイヤのリムを挟み込むタイプのブレーキだったのだが、急ブレーキで大怪我をしたことがあった。交差点に高速で進入した所、障害物の影から他の自転車が現れ危うく正面衝突のピンチ、とっさにブレーキをかけたところ、自転車が急に止まりすぎて、自分だけが前に吹っ飛び、顔面から着地、目の横をパックリ割る大怪我、意識が朦朧とする中生まれて初めて救急車で運ばれ、病院で10針縫う羽目に。。。

ディスクブレーキはブレーキのタッチがアナログで力を入れた分だけ利き、制動のコントロールがし易いのと、雨や路面が濡れた状況でもブレーキの性能が落ちないのが魅力。とにかく海外で事故りたくないので保険のつもり。

また、写真をご覧いただく通り、フレームの上部パイプ、トップチューブが斜めになっており、地面と平行になるようなモデルと比べてより体がアップライトで楽な姿勢を取りやすく、長距離ツーリング向けらしい。緑が多く、美しい景色が沢山のロンドン、これから冬になるまでの間いろいろな場所へ勝手気ままなツーリングに出てみようと思う。

ちなみにタイヤは既にカスタマイズ済み、イギリスの舗装道路は日本ほどきれいに舗装できておらず、穴ぼこだらけ、路肩にはガラスの破片なども結構落ちてたりする。すでに10-20マイル程度のライドに3回行って3回とも前輪がパンクした。付属のタイヤはよほど安物なのだろう。

お陰で早速タイヤの脱着、チューブ交換をマスターできたのだがいい加減付き合いきれなくなったのでMichelin Power Enduranceという耐久性に特化したタイヤに換装したらすっかりパンクがなくなった。色も車体の赤に合わせ赤いラインのタイヤに替えてドレスアップ効果もアリ。眺めてムフフとなってしまう。

走って健康によし、カスタマイズして楽しんでもよしのロードバイク、なんだかマニアックな趣味にどんどん走りそうで怖い。財布には相当良くないぞこれ。

ママ達の乱(パパも少々含む)その2

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前回からの続き

ところが、WhatsAppのママチャットの中で意見は右往左往する。割りとコンサルや証券会社勤務などスマートな仕事をするワーキングママが多いので、現実的かつ論点はそれほどぶれないのだが、園長と話し合いをする前に、我々で事前に意識を統一するミーティングをすべきかすべきでないか、するとしたら誰を巻き込むかで揉め始める。つまり、チャットに入っている親がクラスの全てではないのに、我々だけでアジェンダを決めていいものか、そういった話。

中には長い沈黙の後に突如正論を手榴弾のように投げ込むママもいて、いやいやクラスの親全員に声をかけて事前のMTGをすべきではないか、みたいなことを言い始める。

「それじゃそのMTGの前にコアメンバーで事前MTGしなきゃだめじゃん、効率悪すぎる・・」と苛々する妻。チャットのメンバーについても誰が誰だかよくわからないので、下手な批判は後々禍根を残す可能性もあり、空気を読むのが大変そう。

結局は丸く収まり、園長との会合の前日の夕刻にママチャットに入っているコアメンバーで事前ミーティングをすることになった。

これはチャットの流れから妻が出席することに。場所はルーマニア人ママとスペイン人パパのハーフのカルロスくんの家。そこにママ◯名が集合する。

ここではスペイン人のパパがママ達数名を仕切って議論をまとめていく。パパは会計系コンサルファームのプロセス・マネジメント系コンサルタントなのだ。

親それぞれにいろいろ不満点はあるが、園長に皆で伝えるべきは親共通の問題に絞ること、それ以外は個別に相談すること。共通の問題とは:

  • 2,3歳児クラスのリーダーが不在である事(リーダーが産休明けでフルタイムで勤務していない)
  • その結果、クラスの管理がカオスと化している事(子供のトラブル、部屋が汚いなど)
  • また、どのような保育をしているのかを始め、保育士がコロコロ変わって顔と名前が一致しないなど園と親とのコミュニケーションが不足していること。
  • 我々としてはナーサリー感謝もしているし、親としてナーサリー生活をサポートしたいと思っている事。
  • だからこそ、単に不満を述べるだけでなく一緒に考えていきたいと思っていること。

この議論の中で、ママの一人にPwCだかどこかのプロセス・マネジメントの元コンサルタントだったりして、「このナーサリーは業務プロセスに問題がある、コンサルを入れるべきだ!」とか「先生には名札を付けさせ、テンポラリーとプロパーで色を替えてルべきだ!」などどんどん盛り上がる始末。

ともかく上記のような論点をまとめ、親それぞれが自分勝手に不満や意見をぶつけるカオスな会にならないような取りまとめが行われた。

園長との会合当日は平日午後4時から開始となるため、妻から私にバトンタッチ、その1の冒頭の通り、自分が出席することとなる。

つづく

※写真はイメージです。

ロンドンでiPhoneを修理する

screen_brokenなんだか最近ついてない。iPhoneが壊れた。スーパーで娘にyoutubeのアンパンマンを見せていたころ、駐車場で地面に落とされたらしい。

自分はその時駐車券を精算していたので、現場には居合わせていない。駐車券のチェックアウトを済ませ車に戻ってきたら妻から悲しいお知らせを聞くことになったのだ。

ああ。。。画面がバリバリ。しかも何度も落としているので、既にGPSとカメラのピントがイマイチになっていたのだが、積年のダメージ加えついにトドメを刺されたのか、数日したらホームボタンが使えなくなり、カメラもピンボケのまま操作ができなくなった。

修理せねば。。。

ところで、物価の高いロンドンで、iPhoneのスクリーンを直そうとすると非常に高い。普通にネットで調べるとロンドン中心部では100ポンドは普通にかかってしまう。

実は私は今回が初めてではなく、あまりの重さの為落とすと即死するiPad第2世代を含め何度かiPhone/iPadのスクリーン崩壊をロンドンで経験しており、いつもお世話になっているお店がある。

それがSPS mobileというBrent Crossにあるお店。電車では到達不可能な場末にあり、パチンコの景品交換所のように窓口一つで何のサインもなしという怪しいお店だが、30分くらいできちんと直してくれるし、何しろ安い。通常75ポンドでiPhone6のフロントスクリーンを直してくれる。iPadなら30ポンド。

今回はなぜか50ポンドで済んだ。まあ不幸中の幸いといったところか。

Wing Yipという中華スーパーの近くなので、こちらに良く買い物に行く方、車がある方には是非おすすめしたい。場所が怪しいので一応建物の画像をつけておく。場所はStaples Centerの横。写真の中心に見える建物の3Fにある。

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駐車場に勝手に止めてしまえばいいと思う。ただのオフィスビルなので、お店らしい気配は全く無い。ここで良いのか不安になるが、不安になるのが正解、エレベーターはないのでガシガシ階段を登って行こう。ちなみに料金は後払い。預ける際にいくら掛かるのか、念の為料金をきちんと確認しておこう。

building

<SPS mobile>
http://www.spsmobile.co.uk/
AJP Business Centre, 152-154 Coles Green Rd, London NW2 7HD

Jazz Cafeで息抜きを

omarCamdenにあるJazz CafeOmarのライブを聞きに行った。
Omarはジャミロクワイ、インコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズなどに並ぶアシッドジャズ四天王(個人的見解)の一人。今となっては20年前の音楽になるが、90年代前半~中盤に掛けクラブミュージックとして当時アシッドジャズなるものがすごく流行っていて、自分もその黒いリズムセクションと、オシャレな旋律、ファンキーなホーンのカッコよさにすっかり虜に。その後アシッドジャズの流れるクラブ行ってみたり、アーティストの来日ライブに行ってみたり、新しいHMVやタワーレコードをチェックしてみたりといろいろこの辺りの音楽は思い出深いのである。




アシッドジャズはロンドン生まれ。そのころに、「ああ、こんな音楽が流れるロンドンてカッコイイ街だな~、いってみたいな~」なんて思っていたが、当時の自分がまさか20年後に暮らすとは思いもよるまい。

ところで、Wikipediaによるとそのアシッドジャズの発祥の地がロンドンのカムデンだと言われている。そのまさにカムデンにJazz Cafeがある。

jazzcafe

ライブ当日の晩は仕事の後、いつもどおりにナーサリーに娘をお迎え、ご飯を作って食べさせ、風呂に入れて、ちょっと残業気味の妻にバトンタッチ。8時半過ぎに家を出て車で10分。ライブの開始は9時過ぎだったのでバーカウンターでラムコークを注文、片手に持ってテージ前に。バッチリ間に合った。しかもチケットはたったの20ポンド。仕事・子育て・夜遊びのハットトリック、これぞロンドン生活!って感じ。幸せを感じる瞬間。さっきまで口で息をしながら娘のウンチを拭いていたとは思えない。

Jazz Cafeはスタンディングのライブハウス。2Fはテーブル席もあるが、オシャレデートのジャズ・バーという感じではない。白髪老人からスーツで決めたサラリーマン、20代の若い男女など、老若男女が酒を片手にわさわさ立っている。箱が狭いのでステージが近い。

Omarといえば、一発屋っぽく、デビュー曲There’s nothing like thisが一番有名で、そのあとは下降線。。なのだが、やはりやってくれました。定番を聞くと安心するし、これが一番盛り上がった。

驚いたのは、演奏中でも写真をとってもよいらしいこと。皆iPhone片手にカシャカシャしながら踊っている。このゆるい雰囲気は素敵だ。来日するとこういう人たちはBlue Note Tokyoでライブになるから撮影は不可、演奏する方も聴く方もちょっとかしこまってしまう嫌いがある。但し中にはフラッシュライトを点灯して動画をとっている迷惑野郎もいる、青白い光が眩しくて仕方ない。これはちょっとNG。

でも一番いらついたのは隣に立っていた白人の兄ちゃん。背丈が190センチ近くあって、まさに壁。立っているだけでも公害レベルなのに、リズムに乗るのが恐ろしく下手、縦ノリが出来ずやたら前後右左にカクカク、クネクネ揺れて自分を含めた周りの人間を無双してくる。しかもとなりの男友達に演奏中のステージをバックにセルフィーをとってもらったりと狼藉がエスカレートしてホントにムカつく。

これに対抗するために無言の抗議の意味で自分のパーソナルエリアをしっかり確保し、そこに入り込む奴のカラダや腕に肘や肩でボディーブローを食らわしていたのだが、なんと、音楽を聴いていない自分に気がついた。。。。しまった。