子連れマルタ・ゴゾの旅 その2/2

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ゴゾ島の旅

マルタはスキューバダイビングのパラダイス。そもそもマルタはアフリカ大陸が南からヨーロッパを押し上げた結果海底が隆起して出来た島なので地形が複雑、地中海の真ん中なので透明度も抜群によい。沈船などの歴史的な建造物もある。従って島のあらゆる場所がダイブスポットになっている。私もダイバーなので、青い海を見て潜らずにはいられないのだが、ダイブショップに確認すると水温が15度。さすがに冷たすぎる。かつて水温18度で潜ったことがあるが、それでもしばらく泳ぐと身体が冷えてだんだん動きや思考が鈍くなってしんどい。水上に上がった時の寒さも辛すぎる。悔しいけれど今回はパスした。

その代わりマルタの隣の島のゴゾ島への1日ツアーを申し込み、ざっくり見どころを回ることに。

ゴゾ島とは?

マルタ島の北西に位置する小さな島。マルタが岩の転がる荒れ地ばかりなのに対し、農業が盛ん。はちみつやイチゴが名産。あとマルタのワインはほぼゴゾ島で生産されている。

ゴゾ島への移動へはフェリーで

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マルタ島の北端に位置するチルケッワ港(Cirkewwa)からフェリーで20分程度。我々が行った当日は、港が大混雑、予定の船に乗れずここで30分以上行列を並ぶ羽目に。ツアーガイド曰くイースター前の行事のため地元の人も多数フェリーを利用しているからとの事だった。

ダイナミックな海岸線、早速クライマックスの眺め!

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ゴゾの港からはバスで移動。最初に訪れたのがドゥエイラ湾。透明度の高い海とダイナミックな岸壁が圧倒的。朝っぱらからテンション上がりまくり。あーダイビングしないのもったいない。写真上はAzur Window(青い窓)と呼ばれる巨大なアーチ。写真下は遠くに見える垂直に切り立った岸壁と手前はキノコ岩と呼ばれる岩。

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崖下に見えるブルーホール。グロットになっており海底から外海に出られるらしい。これ潜ったら絶対面白いはず。

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他方目をやると、ゴゾ島ダイビングの目玉、Inland Seaが。こちらは崖の手前が静かな砂浜になっており、崖の向こうの外海とは真ん中に空いた洞窟でつながっている。ビーチダイブから洞窟探検が出来るなんて素敵すぎる。湾の手前はダイビング用の小屋に見える。やはり季節柄、ダイバーが乗ってきたと思われるピックアップトラックは1台しか見られなかった。

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こぢんまりとした入江のシュレンディ

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昼食はシュレンディ(Xlendi)に移動し、入江を見下ろす食堂で食事。ここは”コ”の字形の小さな入江のリゾート地になっている。両側は急峻な山がせり出していて、入江の海岸部分はたった100メートル位。まさに写真で見えてる部分しか建物がない。それがなんだか秘境っぽい雰囲気を出していて、セレブがお忍びでやって来そう。

風情ある街並、ヴィクトリア

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島の中心にある街、ヴィクトリアへ移動。マルタ特有の黄色い石造りの街並が美しい。街の中心部には、シタデル(Citadel)という城塞の廃墟があるのだが、子連れは身動きが楽じゃないので城塞には行かず土産屋を散策することにした。

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休憩の一杯、地酒をいただく。牧草臭いというか、植物の香りが強いグラス赤2.5ユーロ。優雅に見ええて、実は一口飲むごとにあさっての方向へ走りだす娘を追い掛け回す私。スプリント効果で酔いも回る回る。

ピラミッドやストーンヘンジよりも古い遺跡

最後に訪れたのはジュガンティーヤ遺跡。5500年前の神殿遺跡だそうで、ガイド曰く世界最古のfree standing structure(独立構造物?)らしい。既に午後の3時、この時間になるとさすがに娘が疲れてきて、わーわー騒ぐためきちんと見学できなかった。まあ、いままで見てきたものが美しかったので、このタイミングで巨石を見てもちょっと感情移入しづらかった面もある。

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トリは面白かった娘のショット。遺跡までのプロムナードを歩いているのだが、サングラスがずれて、ついでに舌も出していて何かの絵文字みたい(笑

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素朴な分、ゴゾはマルタ以上に地中海の自然や歴史が身近に感じられて素敵な所だった。やはりダイビング出来ないのが悔やまれる。つぎはダイビングだけの目的で訪れたい。

子連れマルタ・ゴゾの旅 その1/2

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3月のマルタは暖かい!

34日でマルタへ旅行に出かけた。マルタはイタリアのシチリア島の南、緯度ではもうアフリカ。日中の気温18度、夜は12度。風が吹くと肌寒くてコートが必要だが、日中の日差しは刺すように強く南国そのもの。晴れていればTシャツで過ごせる。例えて言えば真冬の東京から温暖な石垣島あたりにやって来た感じに似ている。

リゾートホテルでのんびり

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日頃Airbnbで旅している我が家族だが、今回久しぶりにホテルステイを楽しんだ。今回の目的は街歩きではなく、のんびりおひさまに当たること。3月はオフシーズンなのでホテル代が安い。宿泊先のCorinthia Marina Hotel1ベッドルームのスイートが通常の半額以下で泊まれることもあり、子供の寝かしつけのためのリビングと寝室の分離環境もきちんと確保できたことも大きい。後述するがマルタは交通機関が基本タクシーに限られてしまうので買い出しとかしなくて済むホテルのほうが子連れには楽。子供にはサトウのごはんを持参したので、こちらを温めてもらうことも出来た。

世界遺産ヴァレッタは素敵な街

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世界遺産に登録されている城塞都市ヴァレッタは思いのほか街が綺麗で景観がなにより美しい。通りから港が見下ろせてとてもロマンチック。勿論ベビーカーでの散策も問題なし。

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港の対岸にも砦が見える。ライトアップされてとても雰囲気が良い。

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マルタは十字軍で活躍した聖ヨハネ騎士団に端を発する敬虔なカトリック教国。ちょうどイースターの1週間前で、キリストが磔刑に処された日に当たる為、子供からお年寄りまで装束を身にまとい、マリア像を担いだ厳かなパレードが行われていた。

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近くの教会ではミサがとり行われていた。

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マルタはご飯が美味しい

マルタは1814年にイギリス領となり1964年に独立するまでの150年間で、英語が公用語となるなどイギリスの影響が強くある。ツアーガイドのマルタ人曰く、マルタの人々はイギリスに好意的で、本当は独立はしたくないという国民も多かったとか、多くのマルタ人がイギリス海軍で働いていたため、独立してむしろ仕事がなくなったらしい。いまでもマルタはイギリス連邦の一員である。

従って、食事に関してもイギリスっぽい食べ物がちらほら見かけられる(パイとか白身のフライとか)。しかしおしなべてご飯は美味しかった。

ホテルの中はイタリア人ばかり。イタリア人にとっては身近なリゾート地なのだろう。彼らに鍛えられているため、ご飯が美味しい。食事に関してもイギリスっぽい食べ物がちらほら見かけられる(パイとか)。コーヒーも味も香りも濃くて美味しいし、パスタはきちんとアルデンテを保っていて、とても安心して食べることが出来た。

おすすめはヴァレッタにあるハーバークラブ。港の目の前にあるジャズ・クラブ兼レストランで、モダンなマルタ料理が楽しめる。薄暗くムードが良すぎてお客さんはカップルばかり、ちょっと子連れでは気が引ける雰囲気だったが、ハイチェアの用意もあるし、快くもてなしてくれた。

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メインの豚肉。ロースの柱が3本直立していて、中央の神殿は脂身のあるバラ肉?の塊。それをニンジン君たちが見上げてる。結構なボリューム。

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マルタワインはレストランでも15ユーロ程度からと安い。白はシャルドネもミュスカもさっぱり軽い印象だったけど、このシラーズの赤は南国らしくフルーティでしっかりとしたボディが感じられた。

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マルタご飯は特盛

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ホットドッグを頼むと山盛りポテトとこれが出てくる

WHO(世界保健機関)によれば、マルタはEU内で一番肥満率の高い国だそうだ。それも納得。いちいち出てくる飯の量が半端ない。パスタ一皿で2.5人分位の量が出てくる。ホットドッグを頼むとフルバゲットサイズでやってくる。イタリアンレストランでは一人前のタコのリングイネを二人で分けるように注文、お店は快く応じてくれたが、それでも一皿に出てきたのは日本だったら大盛りの量、大ぶりのタコも目一杯入っている。残念ながらとても美味しいので残すことが出来ず、これですでにお腹いっぱい。次のメインが食べれなくなりそうだった。

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一皿を分けても日本人には大盛サイズ!

残念な公共交通機関

マルタ内の移動に関して言えば、この国には鉄道はないので、路線バスかタクシー。となると基本の移動はタクシーになる。但し問題はタクシーメーターが設置されておらず、料金体系が不明瞭なこと。空港からホテルまでは前払い制、空港のタクシー乗り場でチケットを購入することになる。11キロの距離が20ユーロだった。それ以外の場所では日本と同じく後払い。ホテルから旧市街は7キロ程度で15ユーロ(1,900円だったので、日本並みにタクシー代が高いといえる。気軽につかえる金額ではない。又、バーが連なる繁華街のPacevilleに出掛けた際、丁度滞在時にアイルランドの祭日であるセント・パトリックス・デイの祭りとぶつかった為、街が大混雑。あらゆる通りが若者でごった返していており、我々子連れ家族が歩くのもままならなくなった。仕方なくタクシーで帰ろうとすると、たった1.5キロの道のりが15ユーロとふっかけられた。最終的には妻がネゴって12ユーロになったが全くひどい話である。

(ゴゾ島の紹介へつづく)