子連れボルドーの旅 その1

10月中旬、家族旅行でフランスのボルドーへ。ボルドーと言えばワインの都、瀟洒な街並と郊外に広がるぶどう畑とシャトー、大人な街といった風情なのだが、子連れでも十分楽しめるボルドーの旅を紹介したい。

一日目:ロンドンからボルドーへ

ロンドンはガトウィック空港から毎度お世話になっているLCCのeasyjetでボルドーへ。
到着初日はボルドーの旧市街で宿泊。翌日からワイナリー巡りを行う予定だ。

フライト時間は約1時間半。ただし格安航空会社だけあって案の定遅延、到着は結局現地時間3時を超えてしまった。

空港からホテルへの移動はUBERが使えるので安心だった。なんとJaguarでお出迎えだったので少々ビックリした。旧市街まで30分、約35ユーロ弱。

初日のホテルは旧市街のクオリティホテル・セントカトリーナ。しかし、朝九時半に空港についたのに、なぜホテルのチェックインが5時近くなるのか。少々イライラ。

なぜボルドーか?

フランスと言えばワイン、ワインと言えばブルゴーニュと並びボルドーが二大聖地。ワイン好きの自分としてはやっぱり一度は行ってみたい場所なのだ。とくにボルドーは世界のワイン文化の中心。新世界(米国・南米・オーストラリア・南アフリカ等々)は勿論、イタリアやスペインなど欧州の一部も昔からブドウ品種や醸造・流通に渡るまでボルドーワインを模倣し、あるいは超えるべきベンチマークとし、発展発展してきたといって過言ではない。

ボルドーは大西洋岸に面した都市で、パリとスペインのマドリッドを結んだ船の丁度真ん中あたりに位置する。

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中世はフランス貴族がイギリスの王様になった経緯で、ボルドーを首府とするアキテーヌ地方はイギリスの領土だった。その為イギリスとの経済の結びつきが強く、ボルドーワインはボルドーの港からせっせと輸出され、葡萄不毛の地であるイギリスで盛んに飲まれたという。

このように貿易都市、国際都市あった為、ボルドーの街は昔の栄耀栄華を偲ばせる美しい街並が広がっている。
歴史地区の街並は月の港と呼ばれ世界遺産に登録されている。
月の港という洒落た名前は街の形が由来。内陸から大西洋に抜ける、ガロンヌ川に沿って造られた街が三日月のように湾曲しているから。

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ワインに限らず、食文化も楽しい。

まず思い浮かぶのは、お菓子のカヌレ。

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正式名称をカヌレ・ド・ボルドーと呼び、この街の名産品。ラムとバニラで風味づけされたこの焼き菓子、外は固めで中はもっちり。同じ焼き菓子の中でもサクサク、ボロポロするビスケットやショートブレッドと食感が対極である。自分はこれが大好物、幾つ食べても食べ飽きない。

勿論、ここはフランス、肉も魚介もチーズも美味い。

心配事としてはちょっと2歳半の子連れには行き先として相応しいかどうかという点。何となく大人っぽい雰囲気にあふれているので、子供も大人も十分楽しめる旅に出来るよう工夫を凝らしたいと思った。

圧巻!ボルドー市内

勿論パリと比べてしまっては元も子もないのだが、ボルドーの印象はかなり良かった。大きく、清潔で、美しい。
こちらは、ボルドーのランドマーク、ブルス広場&水鏡(Mirroir dEau)

Bourse_fountain

広場の噴水はなんと赤い水が吹き出している。これはワインをイメージしているのだろうか。

広場と川沿いを分け隔てる道路に平行して走るのはLRT。このLRTは珍しく、架線が存在しない。かと言って地下鉄銀座線のような第三軌条でもない。広場の真ん中に停留所があるのだが、ここだけは停留所のサインもベンチも何もない。ただのプラットフォームがあるだけ。広場の景観を壊すこと無く、スッキリしていてすごく美しい。18世紀の建物と21世紀の鉄道まで、何世代、数百年に渡り、全てが統一された美意識の下で維持・発展してきたことが実感できる。

LRT

広場のガロンヌ川側も印象的。何の変哲も無い石畳の広場から水煙が上がり、その後薄く水が張られる。この繰り返し。

smoke

水煙が上がると子供たちが大喜び。

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水煙のあとは、水が湧き出し、大理石の上に薄く水が張られる。これが「水鏡」の所以。

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夜になるとこれがまたとても幻想的。

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旧市街はデパートやブランドショップが立ち並び、買い物環境が充実。ホテルでチェックインを済ませ、イギリスでは買えないオシャレな子供服を調達しに出掛けた。

ディナーはホテルのフロントでオススメのお店を確認。事前に英語HPのあるレストランを調べていったが、フロントのお姉さんに「これは高い割に美味しくないツーリストトラップだから行かない方がいい」と制止された。そこで別に案内されたのが「Chez Jean」入り口はカフェっぽかったのだが、二階に上がると落ち着いた雰囲気。子供用のブースターチェアも完備されており、居心地の良い空間が広がっていた。

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食事も地元の素朴なご馳走といった感じで、ミシュラン星付きレストランのような優雅さはないが、量、味ともに満足、食後のデザートもアッサリとした甘さでとても美味しかった。地元の人もグループで訪れているようで、それなりに安心のお店に感じた。

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夜の街は汚いものが見えなくなるから余計に美しく見える。やっぱりフランスは素晴らしい。

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翌日早朝、河岸を軽くランニングする。朝焼けの街も爽やかである。

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川沿いでは素敵なマルシェがまさに開店準備中。今回は我々は立ち寄る時間がなかったが、ゆっくり街に滞在するのであれば川辺を食べ歩きなど出来てきっと楽しいに違いない。

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そして二日目、今日からどっぷりワインの旅に。目指すはメドック地域、ボルドー最高級ワインの畑を目指して出発する。

つづく

パリでカメラ盗られた その2/2

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これまでのあらすじ
父に花の都パリを一目見せたいと、ロンドンから鉄道で一泊二日の旅に出た。二日間という限られた中で可能な限り見どころを回るべく、初日から昼飯も盗らず歩きっぱなしの旅となった。

二日目は最終日、一つも取りこぼしがあってはならぬとばかり、昨日に続いて行軍は続く。

ホテルからまず向かったのがルーブル美術館。途中カフェで朝食をとるも、朝っぱらからまず2キロ歩いて到着。その後超特急でミロのビーナス、モナ・リザなどルーブル内の見どころを周り、昼はピラミッド駅の近くでフォーをすする。その後オペラ座まで歩き、そこからモンマルトルを目指す。途中ムーランルージュを見ながら丘を登り、丘の頂上サクレ・クールまで到着。丘に登るのはさすがにケーブルカーを使ったが。。

サクレ・クールのドームに登ろうとしたが親父はもはや膝が限界に来ており、自分だけ登ることにした。

サクレ・クールの螺旋階段を登りながら、大問題に直面することとなる。自分の鞄の中に入っていたはずのカメラがないのだ。肩掛けカバンを背中に向けていたので抜かれたのだ。

そこそこ高かったんだよ。キャノンのG16

思い返してもどこで盗られたか思い出せない。最後に写真を取った場所だけは覚えている。ルーブルの中のモナ・リザの前だ。

ものすごい人で常にごった返すモナ・リザ前、写真を取って、鞄のポケットにさっと入れたところを後ろから見られていた可能性は高い。

でなきゃ、オペラから乗った地下鉄の中か。
もしくはモンマルトルに登るケーブルカーか道中か。

でももう遅い。こんなこと振り返ったってこの国で盗まれたものが帰ってくるはずなど100%ない。

すっかり意気消沈。弾丸ツアー最後の目的地、ノートルダム寺院を残していたが、全くやる気がなくなってしまった。

最後の望みをかけて、ピラミッドのベトナム料理屋へ戻るが、結果は☓。

ショックなのはカメラの盗難それ自体というよりも、その中に入っていたSDカード。この中に昨日のパリの写真も入っているが、前週に行ったコッツウォルズで撮った写真が沢山入っていたのだ。

原因の一つとして、自分のセキュリティ認識が甘すぎた。イギリスは思いのほか安全・安心な国で、日本とほぼ同じ感覚で住めてしまう。だからこそフランスでは親父の行動は監視して、財布を不用意に道端で出さぬよう注意したりしていたのだが、自分が疎かになっていた。情けない。

その後とぼとぼとシテ島へ。頭のなかは葬送行進曲。曇りきった私の目を通してみるノートルダム寺院の姿はまるで今話題の知事が居座る東京都庁舎にしか見えない。

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こんなに後味のわるい旅も滅多にない。3部作の最後を飾るのに最適?最悪?なエンディングだ。3部作で不幸が止まれば、の話だが。

しかし70中盤の親父の足腰の強靭さには恐れ入る。当分健康で長生きできるのでは。これが唯一の良い話かも。

パリでカメラ盗られた その1/2

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最近旅行に行く度に災いが起こる。お祓いしたい。。。

このネタのシリーズも3本めを数え(一本目二本目)、どこまで不幸の連鎖がつづくのかこちらもヒヤヒヤしている。

さて、4月の下旬、日本からはるばるロンドンに遊びに来た父を連れ、パリ12日の弾丸旅行に連れて行った。

70歳中盤に差し掛かった父は海外旅行をろくにしたことがなく、今回のロンドン訪問が初ヨーロッパ、たった2週間のロンドン滞在だが、折角なのでロンドンの地味な街並ではなく、パリの壮麗な景色を見せてあげたかったのだ。

とにかく時間がないので2日間でエッフェル塔からルーブル美術館、モンマルトルなどめぼしい観光スポットは全部回るという、まるで学生のような力技仕様の旅程を組む。

一日目はロンドンからは朝8時のユーロスターに乗り、12時前にはパリへ到着。そこからエッフェル塔へ、最上階からの帰りのエレベーターが激混みだったために全て階段で地上まで降り、凱旋門に登り、シャンゼリゼを下ってコンコルド広場まで約2km歩き、地下鉄でアルマ橋まで向かい、そこからセーヌ川クルーズを楽しみ、最後にオスマン通りのホテルに到着すること既に午後8時。

この間、昼飯は時間を惜しみエッフェル塔の下でパニーニを買って歩きながら食べただけ、オシャレカフェなどで休むなど言語道断。ひたすら目的地まで進め進めとばかり、まさに地獄の行軍を果たした我々父子はもうクタクタ。70過ぎの親父は足の皮が剥けたのに加え、凱旋門の螺旋階段で完全に足腰に来てこれ以降長い階段が登れなくなってしまった。

インパール作戦並のドSな行軍の後だが、ディナーは二人共ジャケットをきちっと着こなし、レストラン(セーズオスマン)でブルゴーニュの赤を傾けフレンチを楽しんだことだけは付け加えておく。

つづく