Omarはジャミロクワイ、インコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズなどに並ぶアシッドジャズ四天王(個人的見解)の一人。今となっては20年前の音楽になるが、90年代前半~中盤に掛けクラブミュージックとして当時アシッドジャズなるものがすごく流行っていて、自分もその黒いリズムセクションと、オシャレな旋律、ファンキーなホーンのカッコよさにすっかり虜に。その後アシッドジャズの流れるクラブ行ってみたり、アーティストの来日ライブに行ってみたり、新しいHMVやタワーレコードをチェックしてみたりといろいろこの辺りの音楽は思い出深いのである。
アシッドジャズはロンドン生まれ。そのころに、「ああ、こんな音楽が流れるロンドンてカッコイイ街だな~、いってみたいな~」なんて思っていたが、当時の自分がまさか20年後に暮らすとは思いもよるまい。
ところで、Wikipediaによるとそのアシッドジャズの発祥の地がロンドンのカムデンだと言われている。そのまさにカムデンにJazz Cafeがある。
ライブ当日の晩は仕事の後、いつもどおりにナーサリーに娘をお迎え、ご飯を作って食べさせ、風呂に入れて、ちょっと残業気味の妻にバトンタッチ。8時半過ぎに家を出て車で10分。ライブの開始は9時過ぎだったのでバーカウンターでラムコークを注文、片手に持ってテージ前に。バッチリ間に合った。しかもチケットはたったの20ポンド。仕事・子育て・夜遊びのハットトリック、これぞロンドン生活!って感じ。幸せを感じる瞬間。さっきまで口で息をしながら娘のウンチを拭いていたとは思えない。
Jazz Cafeはスタンディングのライブハウス。2Fはテーブル席もあるが、オシャレデートのジャズ・バーという感じではない。白髪老人からスーツで決めたサラリーマン、20代の若い男女など、老若男女が酒を片手にわさわさ立っている。箱が狭いのでステージが近い。
Omarといえば、一発屋っぽく、デビュー曲There’s nothing like thisが一番有名で、そのあとは下降線。。なのだが、やはりやってくれました。定番を聞くと安心するし、これが一番盛り上がった。
驚いたのは、演奏中でも写真をとってもよいらしいこと。皆iPhone片手にカシャカシャしながら踊っている。このゆるい雰囲気は素敵だ。来日するとこういう人たちはBlue Note Tokyoでライブになるから撮影は不可、演奏する方も聴く方もちょっとかしこまってしまう嫌いがある。但し中にはフラッシュライトを点灯して動画をとっている迷惑野郎もいる、青白い光が眩しくて仕方ない。これはちょっとNG。
でも一番いらついたのは隣に立っていた白人の兄ちゃん。背丈が190センチ近くあって、まさに壁。立っているだけでも公害レベルなのに、リズムに乗るのが恐ろしく下手、縦ノリが出来ずやたら前後右左にカクカク、クネクネ揺れて自分を含めた周りの人間を無双してくる。しかもとなりの男友達に演奏中のステージをバックにセルフィーをとってもらったりと狼藉がエスカレートしてホントにムカつく。
これに対抗するために無言の抗議の意味で自分のパーソナルエリアをしっかり確保し、そこに入り込む奴のカラダや腕に肘や肩でボディーブローを食らわしていたのだが、なんと、音楽を聴いていない自分に気がついた。。。。しまった。